2008年9月5日号
   
 

 

 

  

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焦  点 「福田首相が突然の辞任」
 
 
 福田首相が9月1日、首相官邸で緊急記者会見し、辞意を表明した。任期途中で辞任した安部前首相の後を受けて昨年9月に発足し、8月には内閣改造して自ら「安心実現内閣」と命名し、原油、物価高対策、年金、医療、雇用など生活不安の解消に全力を挙げ、政権立て直しを図る意欲を示していた。会見で、「いま日本経済、国民生活を考えた場合、体制を整えた上で国会に臨むべきであると考えた。ここで政治空白を作ってはならない。この際、新しい布陣で政策の実現を図って参らなければならないと判断した」と辞任理由を述べたが、政権存続のための辞任など言語道断。2代続けての首相辞任で、日本の国際的信用はガタ落ちだ。




農林抄(論説)農林抄一覧
 
   「決裂したWTOドーハラウンド交渉の含意」
       諫早干潟緊急救済本部・東京事務所 青木智弘
 
 
<書き出し> 7月末ジュネーブで行なわれたミニ閣僚会議によるドーハラウンド貿易交渉が決裂した。しかしラウンドが終わったわけではない。いずれ合意される時期がくる。今次交渉では途上国の農産物輸入急増に対するセーフガード(暫定的関税率引き上げ)発動条件を巡る米国とインド・中国の対立が直接の引き金となった。しかしミニ閣僚会議では多くの未解決問題が農業のみならず非農業分野でも残されたままであり、セーフガード問題が決裂の主因というのは短絡的に過ぎるようである。これまでの情報では、@主要国、特に米国、インドなどの国内政治情勢を反映したものと受け取られている。強い政治的リーダーシップの不在である。また世界的景気後退、エネルギー・食料価格急騰、バイオ燃料の急成長、グローバリゼーションへの反発などドーハラウンド開始時点で存在しなかった要素が絡んでいる。・・・



特集「新たな食料安全保障の構築」<4> (季刊特集
 
   「食料自給率は向上できるか」<3>
       東京大学大学院農学生命科学研究科教授 鈴木宣弘
 
      土地賦存条件の認識の誤り
      日本への食料優先供給論の誤り
      国土環境と国民の健康━
      農業は環境にマイナスか

     
つづく
 
   「フード・マイレージから考察する食料安全保障」<2>
       農林水産省北陸農政局企画調整室長 中田哲也
 
      フード・マイレージとは
      輸入食料のフード・マイレージの計測
      輸入食料の輸送に伴う環境負荷の試算

     
つづく
 
 
解説 政府「安心実現のための緊急総合対策」 (政策稲作・麦・大豆
 
   「輸入麦価格引上げ幅を圧縮」
       週刊農林編集部
 
      08年度補正予算と09年度予算を一体化
      中小企業の資金繰り支援8兆円
      輸入小麦価格値上げ幅10%に圧縮
      製品価格転嫁は難しく?!

     
読み切り
 
解説 民主党「消費者権利院制度」 (政策食品安全
 
   「民間主体」組織を提案
      〜自民党「消費者庁」との比較〜
       週刊農林編集部
 
      内閣から独立して設置し、民間登用
      国民生活センターの事務を引き継ぐ

     
読み切り
 
概説 水産総合研究センター「地球温暖化対策研究戦略」 (水産
 
   「民間主体」組織を提案
       週刊農林編集部
 
 
水産総合研究センターは、水産分野における地球温暖化対策研究を総合的かつ効率的に進めるため農林水産省が策定した「農林水産省地球温暖化対策総合戦略」及び農林水産技術会議事務局が策定した「地球温暖化対策研究戦略」を踏まえ、今後5〜10年程度を視野にした「水産総合研究センター地球温暖化対策研究戦略」を策定した。
 
トピックス「アグリフードEXPO」 
 
   「米粉麺が注目の的」
 
農林水産ニュース&解説
 
 経営・構造
    農水省耕作放棄地対策研究会が耕作放棄地の再生・利用に向けて中間取りまとめ(たたき台)を示す(8/22)
 
米麦・水田
    8月15日現在の08年産水稲作柄が早場地帯19道県のうち「やや良」が12道県、「平年並み」7県
 
畜   産
    農畜産業振興機構は追加輸入分のバター売渡入札を実施。平均落札価格は前年の倍以上(8/14、20)
 
畑作・果樹
    クボタグループが日本農業の活性化を支援する「クボタeプロジェクト」支援先42件を決定(8/27)
 
農協・経済
    全中が原油・肥料・飼料高騰対策全国代表者緊急集会で「農業版サーチャージ制度」導入など緊急対策求める
 
食品・安全
    民主党が悪徳事業者に対する損害賠償請求などの訴訟をしやすくする「消費者団体訴訟法案要綱」をまとめる(9/2)
 
環境・技術
    松下電工と兵庫県立農林水産技術総合センターが世界初の光照射によるイチゴうどんこ病の予防システムを開発
 
林   野
    東京ガスが「吾妻バイオパワー」に出資し、本格的な木質バイオマス発電所を設置(8/11)
 
水   産
    宮城県気仙沼が漁船用燃油1g当たり1円補助など全国各地で燃油直接補助の動き広がる