2010年7月15日号
   
 

  

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焦  点 「戸別所得補償制度の行方は」
 
 
 第22回参院選は7月11日、投開票され、民主党は改選前の54議席から10議席少ない44議席にとどまった。他方、国民新党は議席を獲得できず、非改選を含め連立与党は過半数の122議席を大きく割り込んだ。議席を大きく戻した自民党は、戸別所得補償制度に対し、「必要な補償額は2・5兆円で、全く不足している」と指摘、米の生産調整の廃止で米価は暴落、農家経営が破綻するバラマキ政策と批判してきた。今後、財源問題を盾に戸別所得補償の批判を強める方針で、民主党にとって畜産、林業、漁業において直接支払制度の導入を掲げているものの、先行したコメ戸別所得補償を含め、11年度予算編成を巡って攻防が激化する。




農林抄(論説)農林抄一覧
 
   「飼料米の定着・拡大への提言」
       東京農業大学准教授 信岡誠治
 
 
 政府は今年3月に閣議決定した基本計画で、飼料用米、米粉用米、大豆、小麦などの大増産によって、2020年度に食料自給率50%を達成することを打ち出した。これは、米の生産調整をはじめとしたこれまでの生産を抑制する政策(ブレーキ)から生産拡大する政策(アクセル)へ舵を大きく切ったものとして高く評価できよう。具体的な施策としては「戸別所得補償制度」の創設で、農家の所得を確保しながら輸入穀物との代替を進めていこうというものである。平成22年度からスタートした戸別所得補償モデル対策として「水田利活用自給力向上事業」を展開し、飼料用米、米粉用米などを生産する農家に対しては主食用米と同等の所得を直接支払いで支援をしていくとしている。・・・続きは本誌で



特集 「里山再生・活用で農山漁村が躍動」<9>季刊特集森林・林業 
 
   「備前里山再生プロジェクト構想」〈1〉
       〜備前市の里山の現状と環境エネルギービジネス〜
       備前グリーンエネルギー(株)事業部企画室長
       名古屋大学大学院環境学研究科博士課程  井筒耕平
 
      備前里山再生プロジェクト始動
      備前市の森林活用の現状と課題
      備前市の環境エネルギービジネスと本プロジェクトの経緯
      備前里山再生プロジェクトの全体像
       (1)未活用森林資源を活用した事業検討と試行(供給側)
       (2)森林バイオマスの利用検討(需要側)

     
つづく
 
   「健康な里山を再生させる」〈2〉
       森林総合研究所関西支所地域研究監 黒田慶子
 
      公園型整備の問題と皆伐への躊躇
      薪炭林型の管理にもどせるのか
      表1 森林のタイプ別「健康な森林」
      図2 里山の整備手法と特徴(大住克博原図)

     
つづく
 
解説&論評 「森林・林業の再生に向けた改革の姿」 (森林・林業 
 
   「森林所有者の責務行使する制度へ」
 
      地域主導の機能区分制度を創設
      経営規模別課題を整理すべき
      倒木被害や獣害で管理放棄
      地域の自主性反映した経営計画
      機能区分廃止で「林業」陽の目
      計画の実効性担保が必要

     
読み切り
 
トピックス「宮崎・口蹄疫問題」農業政策畜産
 
   「リングワクチンの完全実施を」
 
      山田農相が早期実施を県に要請
      県の種牛は救済、民間は殺処分
      移動式レンダリング車導入へ

     
読み切り
 
概説「2010年版環境・循環型・生物多様性白書」<2>農業政策森林・林業 
 
   「生物多様性条約会議に里山提案」
 
      生物多様性の認知度は36%

     
おわり
 
農林水産ニュース&解説
 
 経営・米麦
    09年度の中山間地域等直接支払制度の交付面積は687ヘクタール減の66万3775fとなり2年連続の微減
 
農協・経済
    農業協同組合法に金融ADR制度の導入で「共済事業向けの総合的な監督指針」が8月一部改正
 
畜   産
    中央酪農会議が「牛乳に相談だ。」キャンペーンの活動を総括。CM認知度高くも実需に結びつかず(6/30)
 
畑作・果樹
    生研センターが多少湿っていても機械収穫できるコンバインを開発(7/6)
 
食品・安全
    消費者庁が食品期限表示意見募集結果まとめる。「消費」と「賞味」の期限表示がわかりにくい(7/1)
 
環境・技術
    日本学術会議が我が国における遺伝子組換え植物研究とその実用化で提言(7/1)
 
林   野
    国交省の木の家づくりから林業再生を考える委員会が第1次とりまとめ素案で「二地域居住」を推進する考え(6/30)
 
水   産
    まぐろ類地域漁業管理機関等が豪州でカメ、サメ等の混獲削減へデータ収集の強化や技術開発等に取組む(6/23〜7/1)