2008年12月25日号
   
 

 

 

  

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焦  点 「WTOに左右されない農業改革」
 
 
 APECがWTOの新多角的貿易交渉のモダリティ年内合意を声明に盛り込んだことで、合意への気運が高まったが、途上国と先進国の膠着状況が続いたことで閣僚会合の開催は流れた。これによりモダリティ合意は越年することとなったが、未曾有の経済危機により各国とも保護貿易を強めることが見通されることから、09年年内の合意も危ぶむ声も上がっている。石破農相は12月16日の閣議後の会見で、WTOの帰結を待たずに、国内の農業の体制整備に着手する考えを示した。WTOの結果次第で、泥縄的に国内対策を講じることを避けるためだ。「(決裂で、)多少の時間ができたが、そこをどうやって最大限活用するか」と述べた。




農林抄(論説)農林抄一覧
 
   「国民の利益につながる真の政策を」
       農業評論家 土門 剛
 
 
<書き出し> 農水省改革チーム「有識者との意見交換会」。そこに筆者も名前を連ねていることに着目した編集長の解説が面白い。「今回は(農水省も改革に)本気だな」。筋金入りの農政ウォッチャーだけにツボを心得た評価ではないか。改革チームの「緊急提言」を目にして、筆者も同じ思いを抱いた。筆者が目を凝らしたのは、「影響力を持つ勢力との円滑な調整に重きが置かれ、不透明で閉鎖的なものになっている」との一項である。その影響力ある勢力とは、自民党農政族と、彼らを背後で操る農協全国組織のことに異論はなかろう。その反省の結果、「調整型プロセスとの訣別と開放的な参加型プロセスへの移行」という方向を提示した。筆者流の解説では、その連中との「談合農政」に訣別して、農政を国民の手に取り戻そうという趣旨になろうか。読者の中には、これが何を意味するか、いまだ状況が把握できない方がいるかもしれないので、具体的なケースで説明してみよう。米政策改革大綱が分かりやすいか。本誌読者には、わざわざ中身を説明することはなかろう。政策当局が、改革に向けチェンジを切ったのに、影響力を持つ勢力が運転席にどかどかと乗り込んできて、急ブレーキをかけさせたり、逆走行を命じたり、傍若無人の振る舞いで改革を押し潰してしまったことである。・・・



穀物の争奪戦が食卓を襲う「世界の穀物と環境問題」<2>農環研シンポ政策国際・貿易 
 
   「20世紀末から中国は食料輸出国へ」<2>
       農林中金総合研究所副主任研究員  阮 蔚
 
      トウモロコシが最大の焦点
      補助金なしでは食料生産できず
      中国でも水は昔から深刻な問題
      日本は品種改良等技術面で貢献

     
最終回
 
解説&論評 「農林水産省改革のための緊急提言」<下> (政策
 
   「危機管理を定期的『模擬訓練』」
       週刊農林編集部
 
      「弛んだ組織」特有の問題
      緊張感ある組織運営が必要
      地方分権改革推進委 出先6機関を廃止・統合
      地方分権改革推進委員会第2次勧告「組織改革の方向性」

     
つづく
 
解説 経済財政諮問会議に「農地改革プラン」示す (政策米麦・大豆
 
   「放棄地解消は“話し合い”から」
       週刊農林編集部
 
      ほ場整備地区の放棄率0.2%
      地域ネットワークの構築を
      導入作物は地域で決定
      「再生」は多様な課題を一体的に

     
読み切り
 
トピックス「09年産米生産目標面積(需要量情報)」 (政策米麦・大豆
 
   「24府県が生産調整迫られる」
       週刊農林編集部
 
      重点7県は5万f削減必要
      07/08〜09/10年主食用等需給見通し及び需給実績
      09年産米都道府県別需要量情報と08年産米都道府県別生産数量・作付面積

     
読み切り
 
農林水産ニュース&解説
 
 経営・構造
    農水省が農地転用許可事務の適正化等及び農地に係る仮登記への対応を都道府県に通知(11/28)
 
米麦・水田
    全国農業協同組合中央会が09年産米の計画生産の徹底に向けたJAグループの取組み方針をまとめ(11/28)
 
畜   産
    日本酪農乳業協会が08年度生乳生産量1%減と見通す。来年度計画生産は0・5〜2・5%増必要
 
畑作・果樹
    農水省第1回「農業技術の匠」に金子美登氏ら27人を認定
 
農協・経済
    改正金融機能強化法が施行、農林中央金庫も対象に。農林中金は増資で対応(12/17)

 食品・安全
    食品のロスの削減に向けた検討会が食品ロス削減へ各者取組むべき具体的行動を示す提言まとめる(12/10)
 
環境・技術
    食品総合研究所が触媒を使わずに高温に加熱するバイオディーゼル燃料化を開発(12/12)
 
林   野
    横浜市議会が「横浜みどりアップ計画」財源確保策で「横浜みどり税」を新設する条例案可決(12/12)
 
水   産
    TAC制度有識者懇談会がIQ・ITQともに「現時点では導入は適切ではない」と判断(12/15)