2008年12月5日号
   
 

 

 

  

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焦  点 「農水省解体的改革へ」
 
 
 農林水産省の業務・組織見直しを検討していた「農水省改革チーム」は11月27日、改革緊急提言をまとめ、石破農相に提出した。緊急提言では、「農水省を構成する要素全ての見直しの必要性」を強調し、@政策決定プロセスの改革A国民視点に立った政策・業務の実行の追求Bリスク管理・危機管理の改革C業務内容の改革D国民視点での組織運営の実現E国民視点に立った行政を円滑に遂行するための機構改革F改革の効果が永続する取組み――を打ち出した。地方農政事務所を原則廃止する考えが示されたが、石破茂農相は「主要食糧業務を担う組織としては廃止を前提に検討する」と米麦販売を外部化するにとどめる考えを示した。




農林抄(論説)農林抄一覧
 
   「野菜消費の需要変化と生産技術開発」
       農研機構・野菜茶業研究所業務用野菜研究チーム長 東尾久雄
 
 
<書き出し> 野菜の消費は用途に応じて家計消費用と加工・業務用に大別される。昭和40年ごろまでは、主として家庭で消費されていた野菜も、平成2年になると家計消費と加工・業務用が全体の消費を折半するようになった。その後も、加工・業務用需要は増加傾向にあり、平成17年度には55%を占めるに至っている。国内生産が生産者の高齢化と担い手の減少のため、作付面積、生産量とも減少する中で、加工・業務用需要の増加は中国を中心とする輸入で対応されて来た。しかし、昨今の食品の安全性に係わる事故発生を契機に、実需者の中には輸入野菜を国産野菜に切り替えようとする動きが見られている。ところで、加工用と言えば、市場で生食用として販売できない規格外品を使って加工され、流通しているイメージが強い。しかし、実際には加工品といえども、原材料の品質が製品の品質を左右する。このため、市場へ秀品として出荷された野菜が使用される事例はこれまでも多く見受けられる。・・・



穀物の争奪戦が食卓を襲う「世界の穀物と環境問題」<1>農環研シンポ政策国際・貿易 
 
   「20世紀末から中国は食料輸出国へ」<1>
       農林中金総合研究所副主任研究員  阮 蔚
 
      トウモロコシは輸入国へ転換か
      中国でも耕作放棄地が大量発生
      付表・中国の食糧生産量の変化
      付表・中国三大穀物(コメ、小麦とトウモロコシ)の合計純輸出
      付表・ブラジルの大豆生産、輸出と中国向けの輸出

     
つづく
 
   「農業大国として注目集めるブラジル」<1>
       東京農工大学共生科学技術研究院生命農学部門講師 山田祐彰
 
      アマゾンの森林破壊との関連も
      耕作不適地をダイズ産地に
      森林開発でダイズ増産傾向続く
      付表・ブラジルの主要農産物

     
つづく
 
解説&論評 「農林水産省改革のための緊急提言」<上> (政策
 
   「農林水産省を『革命』」
       週刊農林編集部
 
      政策プロセス「団体」と訣別
      若手課長が真摯に議論
      古き悪しき伝統を「破棄」
      国民視点度を部局ごとに評価

     
つづく
 
解説「耕作放棄地の再生・利用に向けて(中間取りまとめ)」政策米麦・大豆
 
   「放棄地解消は“話し合い”から」
       週刊農林編集部
 
      ほ場整備地区の放棄率0.2%
      地域ネットワークの構築を
      導入作物は地域で決定
      「再生」は多様な課題を一体的に

     
読み切り
 
農林水産ニュース&解説
 
 経営・構造
    沖縄「泡瀬干潟」埋め立て中止を求める訴訟で那覇地裁が県と市に今後の公金支出の差し止めを命じる(11/19)
 
米麦・水田
    「米流通システム検討会」が米トレサビ、原料原産地表示、米の流通規制等の導入に向けた中間取りまとめ(11/27)
 
畜   産
    日本政策金融公庫がまとめた07年経営動向調査分析で畜産全部門で農業所得率が前年を下回る
 
畑作・果樹
    農業資材審小委がパブコメや実践例元に薬効にかかわらず、特定農薬として指定する方向(11/21)
 
農協・経済
    農林中金が08年9月期経常利益は1300億円減の205億円と大幅な減益(11/27)

 食品・安全
    農水省が食料自給率向上運動として国産食料品購入にポイントを付与する制導入に向け部会を設置(11/28)
 
環境・技術
    農業生物資源研究所が根粒菌や菌根菌と植物の共生に関与するCyclops遺伝子をミヤコグサから発見(11/21)
 
林   野
    「伐採木材製品の取り扱い」円卓会議がポスト京都議定書に向けた森林吸収源評価手法の提言(11/26)
 
水   産
    ICCATが東大西洋クロマグロ漁獲枠を08年2万8500トン、11年1万8500dへと段階的削減(11/24)