2008年9月25日号
   
 

 

 

  

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焦  点 「農相、事務次官が引責辞任」
 
 
 三笠フーズなど事故米の不正転売問題で、太田誠一農相と白須敏朗農水事務次官が9月19日、引責辞任した。太田農相は前日に開かれた衆院農林水産委員会では野党側の辞任要求を突っぱね気丈に振る舞ったが、白須事務次官の辞任が先立ったことで、トップである太田農相の引責辞任は免れなかった。農相の相次ぐ辞任に加え、農水事務次官も2代続けて引責辞任するなど、先進国の政治・政府とは思えない体たらくだ。太田農相は辞任について、「社会的な影響を考えた。農水省の対応のまずさがきっかけではない」とかばったが、消費者を軽視するような自らの失言もあり、相次ぐ農相の辞任には農水省職員の志気も落ちるばかりだ。




農林抄(論説)農林抄一覧
 
   「自給率向上に向けた野菜戦略」
       東京農業大学国際食料情報学部教授 藤島廣二
 
 
<書き出し> 今年1月の冷凍ギョウザ事件以降、新聞等は同事件が契機となって食料品の輸入量が減少したかのように伝えることが多い。しかし、野菜に限れば、輸入量の減少はそれで起きたというような偶発的なものではない。既に2006年から始まっていたのである。そこで本稿では、野菜輸入減少の実態と要因を主に生鮮野菜と冷凍野菜を対象に解明し、その上で今後の自給率向上のための基本戦略にも言及したい。
 野菜全体の輸入量の推移をみると、これまでのピークは2005年で、過去最大の291万トンを記録した。が、これは06年に279万トン、07年に251万トンと減少した。そして今年は5月までの輸入量から推計すると、223万トンにまで減少すると予測される。05年に比べると20%以上の減少である。その輸入野菜全体の中で減少量が最も多かったのは生鮮野菜で、05年の111万トンから07年の72万トンへ、わずか2年間に39万トン、35%も減少した。しかも、今年は58万トンになると予測され、仮にこれが現実となると05年に比べ53万トンもの減少で、驚くことに3年間で輸入量が半減することになる。・・・



特集「新たな食料安全保障の構築」<5> (季刊特集
 
   「世界の穀物需給と日本の食料安全保障」<3>
       ユニパックグレイン椛纒\取締役 茅野信行
 
      トウモロコシ増産の決め手
      穀物需給の長期予測
      価格高騰は早ければ来年にも収まる
      穀物価格の長期見通し

     
つづく
 
   「新たな食料安全保障と世界を見る農業の構築」<3>
       宮城大学大学院事業構想学研究科長 大泉一貫
 
      農家=生活保護者
      地方分権型でないと農業は活性化しない
      現場を大事にした戦前の農業
      必要な新たなビジネスモデル

     
おわり
 
 
解説「09年度農林水産予算主要施策<2>」 (政策
 
           〔資源・環境対策の推進〕
 
地球温暖化対策の強化/農地土壌の温室効果ガスの吸収源としての機能の活用/バイオマス利活用の推進/農林水産業における生物多様性保全の推進進
 
 
トピックス 「事故米」食用転売 (政策食品安全
 
   「民間主体」組織を提案
      〜自民党「消費者庁」との比較〜
       週刊農林編集部
 
      不正流通防止措置講じず
      農相、事務次官が引責辞任
      農水省が「謝罪文」

     
読み切り
 
 
大阪の三笠フーズ鰍ェ工業用ノリなど非食用として政府から購入した事故米を食品向けに不正転売した事件は約370社が関係し、酒造・米菓・和菓子等の食品製造業者にとどまらず、給食・外食関係事業者を介して保育園や老人ホーム、コンビニで消費されていたことが明らかになった。農水省は16日に突然、関連全業者を公表したが、風評被害の懸念に加え、流通実態のない業者を表記する等の誤記もあり、かえって混乱に拍車を掛ける結果となった。さらに、全国一斉点検で愛知県名古屋市の叶井、同県宝飯郡の太田産業梶A新潟県長岡市の島田化学工業鰍フ3社も事故米を食用に不正転売していたことが明らかになった。一連の事故米不正転売問題をめぐり、18日、太田誠一農水相、白須敏朗農水事務次官が引責辞任した。
 
農林水産ニュース&解説
 
 経営・構造
    農水省の「農村環境保全に関する研究会」が新たな農業農村整備の推進について中間とりまとめ(9/2)
 
米麦・水田
    農水省が新規需要米生産者に助成金を交付する「水田等有効活用促進交付金」交付要件示す(9/2)
 
畜   産
    中酪が生産者緊急記者会見を開き、日本の酪農の危機を訴えた。指定団体値上げ交渉は難航(9/10)
 
畑作・果樹
    農水省がキャベツの卸売価格下落で7145トンの緊急需給調整(9/11)
 
農協・経済
    農林漁業金融公庫が10月1日に国民生活金融公庫等と統合し、「日本政策金融公庫」設立
 
食品・安全
    米粉を用いた新事業開発のサポート・支援を行なう国内産米粉促進ネットワーク誕生(9/3)
 
環境・技術
    農研機構が農畜産加工副生物を原料とするバイオディーゼル用燃料(BDF)を生産する酵母菌発見
 
林   野
    国有林野事業の07年度決算が59億円の黒字。07年度末の累積債務残高は前年同額の1兆2795億円
 
水   産
    水産庁がTAC制度の課題と改善方向中間取りまとめ。TAC設定は公開で議論を(9/11)