2007年12月5日号
   
 

 

 

  

数量     
   



農林抄(論説)農林抄一覧
 
   「はびこる偽装表示と法律」
       食の安全・監視市民委員会代表 神山美智子
 
 
<書き出し> 不二家、ミートホープ、白い恋人、赤福餅、比内鶏、船場吉兆などなど、食品をめぐる偽装問題があとをたちません。これらは大きく三つに分けることができます。一つは資材の内容の偽装で、牛肉でないものを牛肉と偽ったり、ブランドを偽るもの。二つ目は賞味期限の改竄、三つ目は売れ残りの再利用など衛生上の問題です。しかもこれらはすべて表示の偽装なのですが、ミートホープは不正競争防止法で元社長が逮捕され、赤福は食品衛生法に基づいて営業禁止になり、そのほかJAS法に基づいて指導が行われました。つまり規制する法律がいくつもあるということです。テレビで事業者向け講習会の様子を報道していましたが、みな、この複雑な表示制度を理解していないようでした。消費期限と賞味期限の違いなど、消費者はもちろん、事業者でさえ分かりません。嘘を言ってニセの食品を売るのは許されませんが、訳の分からない制度にしたまま放置している政府にも責任があります。・・・





焦  点 「川辺川利水事業が休止へ」
 
 
 熊本県の国営川辺川利水事業の新計画実施をめぐり、農林水産省が関係6市町村に最終確認したところ、相良村を除く5市町村は「既設の導水路活用案での国営事業の実施」で合意している意志が確認できたが、昨年7月に離脱を表明していた最大受益地である「相良村」が財政問題などから国営事業に参加しない方針を改めて伝えた。これを受けて、若林農相は11月22日の閣議後の会見で「来年度の予算措置は難しく、合意がなされるまでは事業を休止することを視野に置かざるを得ない」と事業を事実上休止する考えを示した。若林農相はかねてから「年内中に6市町村の合意ができなければ、来年度の休止もあり得る」と表明していた。



特別企画 「地球温暖化がもたらす食料危機」 (季刊特集環境
 
 T IPCC第4次統合報告書
 
   「平均気温3℃上昇で農業壊滅」
       週刊農林編集部
 
      加速度的に進む温暖化
      気候変化の原因
      21世紀末は1.8〜4℃上昇
      アフリカの露地農業生産50%減
      農業への影響
       
アフリカ/アジア/オーストラリア・ニュージーランド/ヨーロッパ/ラテンアメリカ/北アメリカ
      SF映画より怖い「現実」
      付表・世界平均気温の上昇による主要な影響
 
 U 日本農業に与える影響

   
「2060年代の稲作生産量最大15%減」
       週刊農林編集部
 
      5年間で影響予測が大きく変化
      2060年北海道の水稲13%増
      北陸水稲はダメージ最大
      温暖化リスクがメリット上回る
      品目別適応策を作成
      付表・日本平均気温上昇による主要な影響
 
 V 農業土壌の炭素貯留効果

   
「不耕起、堆肥で炭素貯留効果向上」
       週刊農林編集部
 
      日本の水田1.9億t、畑1.6億t
      バーク堆肥が貯留機能大きい
      不耕起でメタン発生量7割低減
      表1 家畜ふんたい肥施用量と炭素貯留増加量との関係
      表2 有機質資材の種類と炭素貯留増加量との関係
      図1 全国レベルでの土壌炭素貯留量の変化
      図2 水田(稲作)における不耕起栽培による土壌炭素の貯留効果
 
秋季特集 「有機農業推進法施行1年の検証と提言」<3> (季刊特集有機
 
   「基礎講座有機農業の技術」(書評)
     日本有機農業研究会編/発行
 
       国学院大学教授 久保田 裕子
 
 
農林水産ニュース&解説
 
 経営・構造
    国交省によると、過去10年間で200近くの集落が消滅し、さらに今後10年以内に423集落が消滅する恐れ
 
米麦・水田
    米粉需要拡大へ小麦粉並み価格を実現するには原料米価格60〜70円に。消費戦略も見直しの必要あり
 
畜   産
    農水省が獣医療法施行規則を一部改正し獣医療の広告制限を大幅に緩和(11/13)
 
畑作・果樹
    農水省が農植物保護液「アグリクール」から無登録農薬成分検出で使用農産物の有機認定取り消し(11/22)
 
農協・経済
    農林中金08年3月期中間決算が経常利益1506億円。サブプライム損失は通期で1000億円程度
 
食品・安全
    食育白書によると、都道府県及び市町村の食育推進計画の作成状況が都道府県作成率は85.1%、市町村は4.1%(10/30)
 
環境・技術
    農業環境技術研究所などが低濃度エタノールを使ったマルチによる土壌消毒法を開発
 
林   野
    農林基金が林業・木材産業者を救済へ運転資金融通に緊急保証措置。改正建築基準法に現場は恨み節
 
水   産
    国連漁業関係決議に関する第2回非公式協議が持続的漁業関係決議案を合意(11/13〜16)s