2006年7月15日号
 
 

(会員制)




数量
   



農林抄(論説)「低コスト畜産実現への論評」
 
   「輸入牛肉に勝つ500頭牧場計画」
        元五嶋牧場代表 五嶋和七
 
 
<書き出し> 日本の和牛4種は自由化後、黒毛以外は10分の1に減少し、10年後には皆無の状態になるのではないかと心配されます。繁殖生産は苦しい現状にあります。なぜ苦しいのか。生産が徳川時代の農耕牛(2、3頭)のまま進歩していないからです。子牛価格は1番安い短角で20万円、黒毛は40万円から60万円ですが、米国では6万円です。日本のこの高い価格でも繁殖農家は減少しています。いくら高くても2、3頭飼育では老人の仕事で、農業経営は不可能です。霜降りを目標としなければ、子牛は10万円以下で生産できます。周年放牧で1人で100頭飼育する技術を育てることです。私は宮城県で畜舎なしで1人60頭(短角)飼育しましたが、150頭位は飼育可能と思います。・・・


焦  点 「北部九州、大雨で農林業被害133億円」
 
 
 九州北部に停滞した梅雨前線による大雨の影響で甚大な被害が発生している。6月21日から7月3日までの総雨量は、九州北部で700ミリを超えた。7月5日現在の農林水産業関係の被害状況は132億7900万円に上る。うち農地・農業用施設が103億6500万円と大半を占め、農地のり面の崩落等が3654箇所、水路等の損壊が3060箇所。林野関係は28億8500万円、農作物等の被害は2900万円。梅雨前線北上に伴い、今後さらに被害は広がると見られる。一方、北日本でも低温による作物の発育の遅れが心配され、中川農相は「日本全体が自然の影響を受けている」と農作物被害の広がりに懸念を示した。



春季特集「米政策改革2年の検証と米改革・水田農業振興戦略への提言」<9> (特集
 
    「水田農業振興に新しいビジョンとモデルを」<2>
       〜アジェンダ2006の提唱〜
       経済産業研究所上席研究員
       東京農業大学客員教授  白岩 宏
 
      「アジェンダ2006のコンセプト
      具体的な枠組と政策手段
      矛盾を孕むミニマムアクセス制度から脱却
      コメの価格形成システムの変革について
      世界のコメ先物市場
      国際市場価格とアメリカ産
      コメ価格の関係
      バイオ燃料への進出


     
最終回
 
トピックス「最終年度迎えた磯焼け全国会議」水産
 
    「ウニ除去にのし掛かる漁業権」
       週刊農林編集部
 
 
 水産庁が藻場が減少する「磯焼け」対策のガイドライン策定を目指し、学識経験者や17都道府県関係者からなる全国会議を設置して2カ年が経過し、いよいよ最終年度を迎えた。2カ年にわたる研究機関、各地のモデル試験等を通じ、磯焼けの原因である「ウニ食害」「魚食害」「海洋環境」が科学的に明らかになりつつあり、磯焼け対策に光明が差してきた。なかでも、ウニ食害による磯焼け防除の研究は飛躍的に向上した。一方、魚による食害は定点観測が難しいことから、ウニほどの成果は上がっていない。またウニ除去についても漁業権等の「法律」上の問題がある。6月26日に開かれた全国会議では、ガイドラインのフロー図が示された。「フロー図をベースに磯焼け対策を進めるようにし、分岐点では判断基準、要素技術を具体的に示し、現時点で困難な場合はこれまで実施されてきた事例を失敗も成功も含めて示す」(事務局)。磯焼けの原因はまだまだ未解明な部分も多いが、関係者の努力に漁業資源の増産、地球温暖化防止に貢献する藻場回復に大きな期待がかかる。
 
     読み切り
 
解説 全農革新「新たな事業体制・経営管理」農協
 
    「地域重視型の6事業本部制」
       週刊農林編集部
 
 
 全農は「新生プラン」で示した、現行の県本部・全国本部単位での収支均衡を基本とした事業体制・管理体制を大幅に見直し、全国を事業ごとに垂直管理する「新たな事業体制」の具体案をまとめ、6月20日に開いた全国経済事業会長会議と経営管理委員会に報告した。新たな事業体制では、事業ごとに全国を実質的に一本化し、経営効率と販売力強化を図る。そこでは、画一的な経営にならないよう、地域の意思の反映にも力を入れる。新事業体制は、@営農販売A米穀B園芸農産C生産資材D畜産E燃料・生活――の6事業本部体制とし、経営責任の所在を明らかにした。7月27日に開く通常総代会で決定する。
 
     読み切り
 
検証と提案「当面のコメ需給調整システム」米・麦・大豆
 
    「水田構造改革加速へ選択的調整さらに進めよ」
       週刊農林編集部
 
      「アジェンダ2006のコンセプト
      具体的な枠組と政策手段
      矛盾を孕むミニマムアクセス制度から脱却
      コメの価格形成システムの変革について
      世界のコメ先物市場
      国際市場価格とアメリカ産
      コメ価格の関係
      バイオ燃料への進出


     
読み切り
 
概説「JAグループの米政策改革・品目横断政策への政策提案」米・麦・大豆
 
    「米価下落に所得確保対策、集滑手取増を」
       週刊農林編集部
 
      新規作付け、未実績者に面積相当対策要求


     
読み切り
 
 

農林水産ニュース&解説

 
 食品・安全
    農林水産技術会議の50周年記念講演会で講師らが「GM作物理解へ取組み」「機能性食品研究に重点配分」求める(6/29)
 
畑作・果樹
    北海道農業研究センターが小麦が低温に適応する「低温ショックタンパク質」発見、耐寒性農作物の開発に期待(6/26)
 
畜   産
    農水省プリオン病小委がBSE対策で殺処分対象から「感染牛の産子」を除外する考えを先送り(7/7)
 
農協・金融
    05年度総合JAの事業利益が28.8%増の1594億円と2年ぶりの増益でも経費削減による利益確保は限界
 
林   野
    林政審議会が森林・林業基本法に基づいて施策を推進する目指すべき「効率的かつ安定的な林業経営」を示す(6/26)
 
水   産
    IATTCs年次会合が保存管理強化合意せず。現行措置を1年延長にとどまる(6/28〜30)
 
 

農林水産省 農水省