2006年4月25日号
   
 

 

 

  

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農林抄(論説)「有機農業運動への提言」
 
   「農を変えたい! 全国運動の開始」
        日本有機農業学会長、茨城大学農学部教授 中島紀一
 
 
 去る3月25日、「農を変えたい!3月全国集会」というやや風変わりな集会が東京で開かれた。「自給を高め、環境を守り育てる日本農業の再構築を」が集会のサブタイトルである。有機農業、広く言えば環境保全型農業を進めてきた農業者や消費者市民が全くの手づくりで準備したもので、北海道から九州まで全国から約500人が手弁当で集まり、それぞれの実践について熱く語り合った。集会に賛同する草の根グループは400団体を超えた。有機農業や環境保全型農業に関してはさまざまな民間団体があるが、それが広く手を結んで全国的集会を開いたのは久々のことであった。その背景にはWTO=グローバリズムの推進のなかで壊滅させられつつある日本農業への強い危機感があった。・・・


焦  点 「森林セラピー基地が初認定」
 
 
 森林セラピー実効委員会は4月18日、森林浴がもたらす生理的リラックス効果が高い癒しの森「森林セラピー基地」と「セラピーロード」を初認定した。「森林浴」という言葉が登場して22年が経ち、近年、森林のもつ癒し効果が大きく注目されている。森林セラピー基地は、快適性増進効果や療法効果について医学的・科学的に効果があると評価された、周辺施設を含めた森林地域を認定するもので、山形県小国町、長野県上松町、飯山市、信濃町、山口県山口市、宮崎県日之影町の6箇所が認定された。歩くだけでリラックス効果や高いセラピーロードには、岩手県岩泉町、長野県南箕輪村、佐久市、高知県津野町にある森林コースが認定された。



春季特集 「米政策改革2年の検証と米改革・水田農業振興戦略への提言」<2> (季刊特集
 
    「先物市場と現物市場をめぐる諸問題」<1>
       大阪市立大学経済学研究科教授 松島正博
 
      はじめに
      試験上場不認可の理由
      両取引所の意見
      試験上場は生産調整と背反するか


     
つづく
 
    「生産調整政策の問題点と消費者視点からの米政策改革」<1>
       高崎経済大学地域政策学部教授 吉田俊幸
 
      米消費減と生産調整の大幅な拡大の可能性
      低価格米需要の増大とそれへの対応の遅れ


     
つづく
 
解 説「ポジティブリストがいよいよスタート」<上>   (農業政策食品安全
 
    「完全防止できない農薬ドリフト」
       週刊農林編集部
 
 
 <ポイント> 国内外すべての農薬に残留基準を設定し、基準を超える食品の販売を禁止する「ポジティブリスト制度」が5月29日から本格施行される。残留農薬基準値を超えた農産物・食品は回収することになるが、農業現場ではドリフトによる「もらい事故」的なケースでは、回収・廃棄による損害で加害農家の訴訟に発展する可能性も十分に考えられる。共栄火災では残留農薬基準値超過による回収命令によりJAが農家に見舞金を払った場合、また回収費用がかかった場合に保険金を支払う「販売中止見舞費用保険」「販売中止回収費用保険」をポジティブリスト制度に対応するため、一律基準を超えた残留の確認による回収命令が出された場合も補償対象に加える。ただし、JA向けの保険で、農家個人では加入できないため、所管のJAに確認する必要がある。ポジティブリスト制度施行で、農協による農薬使用における地域調整機能の強化が期待されるが、こうした補償を含め、どこまで農協が関与できるか。近代農業は数字合わせの減反政策により、多くの農村地区ではモザイク的に水田と畑地が混在している。都市部では市民農園と一般農地が隣接、公園等の樹木、さらにはガーデニングからのドリフトなど、想定しなかった様々な問題も噴出する可能性もある。ポジティブリストへの過剰な反応で生産現場でお互いが疑心暗鬼にならないかが心配だ。
 
      散布機、気象、剤型で大差
      農薬残留しやすい野菜を知る
      タイプ別の近接作物残留リスク

     
つづく
 
トピックス「有機農業者500名結集『農を変えたい全国集会』」   (有機農業
 
      地域ネットの連帯から全国運動へ
      3自治体が参加、4地域で環境支払い報告

     
読み切り
 
概 説 「新たな野菜・果樹経営安定対策」   (野菜・果樹
 
    「野菜『契約取引』を積極推進」
       週刊農林編集部
 
      温州ミカンは優良晩柑転換、廃園推進
      価格下落要因は「気象」のみに?!
      果樹経対象を「全品目」に


     
読み切り
 
 

農林水産ニュース&解説

 
 総   合
    超党派議員で結成する有機農業議連が有機農業推進法骨子案をまとめる
 
食品・安全
    「オーガニックフェスタ2006in Tokyo」に3万人の人出(4/7〜9)
 
農協・金融
    全中経済事業改革中央本部が県域での販売事業改革の検討推進で具体策示す(4/11)
 
林   野
    東京都が官民挙げての花粉症対策を本格スタート、「花粉の少ない森づくり運動」開始式ひらく(4/19)
 
水   産
    EUの食品衛生基準改定を受けて厚労省が新たな「対EU水産食品の取扱い」要領を4月から施行
 
 

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