2005年2月5日号
   
 

 

 

  

数量     
   



農林抄 (論説/食料自給戦略・技術への提言)
 
   「米づくりは日本伝統文化の遺伝子である」
       筑波大学名誉教授 村上和雄
 
 
 2002年、日本を中心とした国際チームはイネゲノム(全遺伝情報)解読の終了宣言を出した。しかし、イネゲノムの暗号だけでは、初めて読むお経のようなもので、その90%は意味が分からない。そこで、その意味を完全に解読するためには、イネゲノムの中にわずかに点在している遺伝子を取り出し、その暗号を解読しなければならない。この研究を私どもはピンポイント作戦と名付けて実行していた。・・・


焦 点 「全農の輸入事業見直しを指示」
 
 
 全農の輸入事業見直しを指示=鹿屋市の食肉加工業者がカナダ産黒豚の鹿児島県産偽装で逮捕された事件で、全農子会社の組合貿易が関与していた疑いで調査していた農林水産省は1月25日、調査過程で全農が米国産の輸入黒豚を直接商社から仕入れていたことが判明し、国内農業を振興することを目的とした農協法の趣旨に沿わないとして、全農に対し輸入事業を見直すよう全農に指示した。同省によると、全農は99年度から03年度までの間に、米国から黒豚5254dを輸入していた。島村農相は「全農は農業関係者を側面から擁護する立場にあり、逆にこれを侵害するようなことがあることは目的と逆行する」と、度重なる不祥事から全農に猛省を求めた。



新春特集 「21世紀農業技術開発戦略の研究」<3>        (季刊特集
 
    「昆虫の生物機能を活用した研究・開発の現状と可能性」
       (独)農業生物資源研究所生体機能研究グループ長 川崎建次郎
 
      ゲノム情報を利用した創農薬
      組換え体カイコによる外来タンパク質生産
      昆虫由来素材の利用
      昆虫の特異機能を利用した新技術の可能性
      生態系における昆虫の機能利用


     
読み切り
 
   「過去の農業技術を点検し、新たな活路を見出す農業技術に期待」
       農林水産技術情報協会顧問 西尾敏彦
 
      はじめに
      「前向きの研究」と「振り返る研究」
      「振り返る研究」への期待
      農業の復権に資する農業研究の充実を


     
読み切り
 
解説&論評 「米国産牛肉解禁に向けた『月齢判別特別研究』報告」 畜産食品安全
 
    「成熟度『A40』で輸入解禁要求」
       週刊農林編集部
 
      米国は「絶対」の自信
      統計学上「0」はゼロではない
      生態学月齢と実月例の検証を
      付表・総合的成熟度月齢分布表


     
読み切り
 
検  証「経済同友会が農政改革提言」(農業自給戦略の研究15) 政策の概説&論評
 
    「強い農業確立へ直接支払い活用を」
       週刊農林編集部
 
      EUもまず品目別で13年間実施
      有機準基準や農業所得要件追加を


     
読み切り
 
トピックス                       (農業技術/IT
 
    「イネゲノム塩基配列完全解読を宣言」
       週刊農林編集部
 
      塩基配列数3億9000万塩基対、遺伝子数6万2000個
      ゲノム育種で画期的品種開発へ


     
読み切り
 

農林水産ニュース&解説

 
 食品・安全
    農水省と厚労省が「日本型フードガイド」策定に着手、外食・小売への普及も視野
 
畑作・果樹
    農水省が種苗育成段階の農薬使用回数表示を義務化(1/18)
 
畜   産
    農水省が全農が黒豚を直接輸入していたことに対して、「組合精神逸脱」と批判(1/25)
 金融・農協
    農水省の研究会が農林公庫資金改革で、農業資金の一部を民間委譲する方針示す
 構造・農村
    農水省が企画部会に農業農村振興に向けた生産基盤整備の新たな展開方向示す
 
林   野
    四国電力が愛媛県西条市の発電所で木質バイオマス発電を導入、石炭と混合し二酸化炭素1万1000トン削減
 
水   産
    FAOがまとめた2000年世界の漁獲量が半世紀で5倍に増加していたことが判る(1/17)