2004年12月5日号
   
 

 

 

  

数量     
   



農林抄 (論説/食料自給率向上への提言)
 
   「食の信頼は自給率向上にある」
       日本消費者連盟事務局長 水原博子
 
 
 2000年の食料・農業・農村基本計画は、翌年の国内BSE発生によって根底からの見直しを迫られることとなった。03年の食品安全基本法に基づいた食品安全委員会の発足と共に農水省、厚労省は 食品分野のリスク管理を担う組織を設置した。いま食料・農業・農村基本計画の見直しを行っている農水省は食料・農業・農村政策審議会企画部会に、10月8日、「食の安全・安心の確保」施策の課題と対応方向(資料1「食の安全・安心の確保」について)を提示した。この施策は、03年6月に新しい食品安全行政の指針として決定された「食の安全・安心のための政策大綱」及び同大綱に沿った06年度工程表の内容とほぼ同じと受け止められた。先に述べた新たな組織体制の下に食品安全基本法のいう国民の健康の保護を最優先とした政府の食品安全行政に対応した大綱であるから、当然の事なのかも知れない。従たがってこれまでの農水省の表現の域を出ず新しい施策の対応方向は見い出せない。・・・


焦 点 「自民農林部会が「環境税」3000円案」
 
 
 自民党の環境部会と農林部会は11月25日、「環境税」について環境省案を見直し、税率を炭素1トン当たり3000円(ガソリン換算で1リットルあたり1・9円)とし、特定財源化する案をまとめた。環境省案では炭素1d当たり2400円(前同1・5円)で、一般財源化して社会保障費にも繰り入れるものだ。しかし、経済界に加え、導入推進派である農林関係議員をはじめ、環境団体までも“低い課税率”に効果を疑問視する声が強い。新案だと総税収額は6000億円となり、環境省案よりも1100億円多くなる。社会保障費に繰り入れる考えは廃止し、全額を温暖化防止対策に充てる。実施時期は環境省案と同様06年1月。



特  集 「21世紀の農業技術戦略の構築と展開」<序>       (農業技術/IT
 
   「現場直結技術とバイオ・環境研究」
      〜農業研究・技術開発の枠組み〜
       週刊農林編集部
 
      スーパー光合成稲や創薬生物作出めざす
      太陽エネルギー利用農機や株間除草ロボットも開発
      研究目標見直し「研究基本計画」策定へ
      付表・農業研究・技術開発の枠組み


     
読み切り(新年特集号・序説)
 
夏季特集「食料自給戦略の研究」<11>           (季刊特集国際・貿易
 
    「WTOの枠組み合意の評価と国内政策の方向性」<3>
       九州大学大学院教授・コーネル大学教授 鈴木宣弘
 
       (4)国内支持
      国内政策の方向性
       (1)コメを含む関税引下げの想定
       (2)関税引下げに対応した基本的対応方向
       (3)認定農業者は「やる気ある担い手」の指標として適切か


     
つづく
 
    「EU直接支払いと『日本型直接支払い』」    (食料・農業・農村基本法/基本計画
       農林水産政策研究所食料消費研究室長 市田知子
 
      中間論点整理とEUのCAP改革
      直接支払いは「地域多様性」を前提に


     
読み切り
 
 

農林水産ニュース&解説

 
 総   合
    新基本計画策定の経営安定対策対象に多様・幅広い担い手求めるJAグループの要請具体策決める(11/5)
 
食品・安全
    食品廃棄物再利用率が4ポイントアップの5割に上昇したが、廃棄物発生量は減らず
 米穀・水田
    農水省の地域水田農業ビジョン調査によると、2490地域水田農業推進協議会が設立
 畑作・果樹
    農水省がマイナー作物の農薬使用経過措置を来年3月で終了。厚労省が特定農薬に該当しない資材を発表
 畜   産
    年末年始の余乳発生量が2割増の5万3000トンの予想。日本酪農乳業協会が円滑な対応を警鐘(11/17)
 金融・農協
    政府が中越地震、台風23号を激甚災害指定。新潟県が災害規模から「中越大震災」に改名(11/26)
 構造・農村
    JAグループが担い手づくり対策取組み方針決める。専門部署で経営、税務、金融支援など(11/5)
 
林   野
    日本の森を育てる木づかい円卓会議が「できることから国産材製品に置き換える」運動を提唱
 
水   産
    大西洋マグロ類保存国際委が中国と台湾のメバチ過剰漁獲に対し、今後5年間一部漁獲枠削減し超過分返済(11/15〜21)