2004年11月15日号
   
 

 

 

  

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農林抄 (論説/米国産牛肉解禁への提言)
 
   「歴史的誤り犯す日米BSE合意」
       農政ジャーナリスト 横田哲治
 
 
 小泉首相閣下、拝啓、目下BSE協議が合意に達したとの報道の後、在京の大使館の高官がコメントを求められました。「歴史的な誤りをおかしたことにならなければ」と答えました。BSEは狂牛病です。「20ヵ月齢以下」というのは、BSEが出てからではまずい、若いうちにと畜してしまおうということですね。食は命です。牛肉を食することは人の健康にかかわります。いま、首相もご承知のように乳ガン、子宮ガン、前立腺ガンなどが顕著に増えて、乳ガンの女性は毎年一万人以上が死亡しています。監察医でもある私の主治医は牛肉などの成長促進ホルモンの残留が要因ではないかと指摘しています。・・・


焦 点 「緊急野菜供給対策で価格急落」
 
 
 相次ぐ台風、10月に入ってからの長雨等不順な天候により野菜生産に全国的な影響が生じている。11月8日現在の台風23号による被害は、農作物等だけで265億円に達し、農林水産業総額で1878億円に及ぶことが農林水産省の調査で明らかになってきた。こうした農業被害の続出により、野菜が高騰、農水省は緊急野菜供給対策を実施、11月2日現在で早取りに応じる出荷団体が27団体、軟弱野菜等の生育促進による出荷量増加分がキュウリで685d、並級野菜の出荷促進による出荷量がキャベツで1534dなどを見込めるようになった。緊急輸入も加わり、都中央卸売市場では10月21日をピークに葉物野菜を中心に価格が急落してきた。



解説と論評 「中山間地域等直接支払制度の評価と提言」       (農業政策/環境政策
 
   「農政史上初の中山間地域等直接支払いの命運」
       経済産業研究所上席研究員・元農水省ガット室長 山下一仁
 
      価格支持から直接支払いへ
      これまでの評価と意義
      財政当局からの廃止要求


     
読み切り
 
   「環境創造型に直接支払いと環境支払いを」
       NPO法人「民間稲作研究所」理事長 稲葉光國
 
      食の安全と環境の健康な「担い手」の視点で再検討を期待する
      環境直接支払いに関する提言
      付表1・経営規模別の経営指標
      付表2・地域の自然資源を活かした環境保全型地域づくりプラン


     
読み切り
 
夏季特集「食料自給戦略の研究」<10>           (季刊特集国際・貿易
 
    「WTOの枠組み合意の評価と国内政策の方向性」<2>
       九州大学大学院教授・コーネル大学教授 鈴木宣弘
 
      日本にとっての評価
       (1)FTA乱立への最低限の歯止め
       (2)市場アクセス
       (3)輸出補助金


     
つづく
 
解説&論評 「食料・農業・農村政策審議会企画部会」     食料・農業・農村基本法/基本計画
 
    「GAPとISO22000策定・普及」
       週刊農林編集部
 
      「食の安全・安心」政策の対応方向提示
      環境創造型農業振興を位置づけよ
      付表・GAP概要


     
逐次掲載
 
 

農林水産ニュース&解説

 
 食品・安全
    農水省JAS制度検討会が規格要素を特色・標準規格に整理等を盛り込んだ改革最終報告(10/29)
 米穀・水田
    米先物上場・取引市場の研究<2> 関西商取が「コメ先物上場の商品設計」を報告
 畑作・果樹
    葉物価格が輸入急増と国内対策で価格沈静化の方向。並級野菜11月出荷量は6546トン(11/2現在)
 畜   産
    動衛研プリオン病研究センターがBSE死亡牛の末梢神経と副腎から異常プリオン検出(11/1)
 金融・農協
    政府が台風15、16、18号による農作物被害に「天災融資法」発動(11/5)
 構造・農村
    農水省が都道府県に対し、担い手対象を認定者に誘導、基本構想未策定地域に策定促す通知
 
林   野
    国交省が人工林・自然林の豪雨時の雨水の地表流量は同等とする研究報告
 
水   産
    水産庁が太平洋系群ヤリイカで資源回復計画策定。保護区域設定と減船を実施(11/4)