2004年5月15日号
   
 

 

 

  

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農林抄 (論説/森林・林業白書の論評)
 
   「森組改革で国産材需要拡大を」
       (株)富士通総研経済研究所主任研究員 梶山恵司
 
 
 平成15年度森林林業白書は、第T章と第U章を費やして国産材利用拡大の問題に大きな焦点を当てている。わが国の人工林はそのほとんどが戦後に造林されたもので、資源の蓄積も進み、年間5000万立方bの木材生産が可能なまでに成熟している。ところが、国産材供給量は低下の一途をたどっており、昨年には1600万立方bにまで落ち込んだ。こうしたことから国産材需要拡大は喫緊の課題であり、白書がこの問題に焦点を当てたことは、時宜をえたものといえよう。もっとも、この問題の核心は川下の需要に応えられない林業システムそのものにあるのであり、これをもっぱら木材産業との関連でのみ論じている白書の分析は不十分である。・・・


焦 点 「牛肉輸入再開に向け作業部会設置」
 
 
 第3回日米BSE協議が4月24日に外務省で開かれ、BSEの定義・検査方法など技術的専門的事項を協議するために専門家によるワーキンググループを5月中旬までに設置し、夏までに輸入再開に向けて結論を出すことで合意した。ワーキンググループでの最大の焦点は、今回の協議でも平行線をたどった全頭検査の科学的な是非で、特定危険部位の除去と検査対象月齢で双方が歩み寄るのか、それともどちらかが条件を飲むのか。科学的な根拠をもって、輸入再開条件の結論が導かれることになる。ベネマン農務長官は「夏までに輸入再開できる」と強気だが、両国間の認識に隔たりは大きく早期決着は難しいと見る向きも強い。



特 集 「2003年度 森林・林業白書」      (林野
 
   「国民主体で創造する『木の文化』」
       週刊農林編集部 
 
 
 <概説> 2003年度「森林及び林業の動向に関する年次報告」が4月20日、閣議決定された。今白書は前年と同様に、03年の森林・林業で注目される動向を概説したトピックスとして、@中国や韓国への木材の輸出A木材利用拡大に向けた行動計画の策定Bボランティア団体との連携による森林づくりCわが国独自の森林認証制度の創設D日本・インドネシア違法伐採対策協力E「緑の雇用」の推進を取り上げた。特集では、「新たな『木の時代』を目指して」と題して、わが国の木材消費量が長期的に減少している状況を整理し、要因分析した。この上で、木材が持つ特質を、@環境素材(エコ・マテリアル)A健康素材(ケア・マテリアル)B優美素材(ファイン・マテリアル)C風土素材(スロー・マテリアル)D自己素材(マイ・マテリアル)――にキーワード化して今後の需要拡大に向けたアピールを展開した。国産材需要の拡大へは今白書が狙う健康や環境に貢献するものとしての国民へのアピールによる需要喚起も重要であるが、最大の課題である乾燥材対応はもとより、森林・林業・木材産業の情報の双方向化による国民のニーズを吸い上げ、それを製品等に反映するシステムの構築が欠かせない。今白書を通じて、国産材需要拡大への鍵を探る。
 
   POINT解説
 
      建築士の木造理解重要
      地場工務店の支援を
      遅れる国産材工場再編
      木材輸出ビジネスに活路
      ボランティア情報一元化を


     
読み切り
 
   2003年 畜産物生産費
 
連 載 「アメリカ牛肉の飼養実態に鋭いメス」       畜産
 
   「アメリカ産牛肉は安心・安全が保証されているか」<2>
       農政ジャーナリスト 横田哲治
 
      遅豚や鶏に肉骨粉給餌認める米国
      OIE国際基準無視した輸入再開は世界に衝撃
      ホルモン剤残留検査体制も疑わしい
      残留ホルモンで女性特有疾病誘発も


     
つづく
 
トピックス 「経済同友会が農政提言」農業政策/環境政策食料・農業・農村基本法関連
 
   「耕作者主義限界、農地法改正を」
       週刊農林編集部 
 
      イノベーションで競争力ある強い農業に
      経団連はLLCの農業法人化を提言

        
※LLCは、農業法人と株式会社の中間形態で、企業が資本やノウハウを提供し、
           経営は農業法人が行うアグリベンチャービジネス



     
読み切り
 
 

農林水産ニュース&解説

 
 食品・安全
    農水省がネットなど通信販売をJAS法に基づく表示制度に対象にする考え示す(4/16)
 米麦・水田
    農水省がまとめた2002年の環境保全型稲作経営で有機米農業所得が慣行農業所得を8割上回る
 
畑作・果樹
    全農の調査によると、農業体験で野菜摂取量が増加することが明らかに
 畜 産
    OIEがBSE国際基準改正案が明らかに。貿易振興の色彩強いと政府、専門家、消費者が批判(4/22)
 金融・農協
    農水省が農林漁業・食品産業金融のあり方で見直しに着手。年内に最終報告まとめる予定(4/27)
 
構造・農村
    農水省が農地のバラ転用防止で農地転用許可制度と農業振興地域制度の運用化の適正を都道府県に通知
 
林 野
    二酸化炭素排出量・吸収源取引を行なうグリーン・トレード制度導入を目指していた埼玉県が断念(4/20)
 
水 産
    水産庁、林野庁、国交省が共同研究していた森・川・海のつながり解明は解析手法未確立で判らず(4/27)