2003年6月25日号
 

  

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農林抄 (論説/WTO非農産品交渉の論評)
 
   「水産物の関税撤廃と日本農業」
       21世紀の水産を考える会代表理事 河井智康
 
 WTO非農産品交渉で、水産物の関税が撤廃されることになった。またも「自由化」の名の下に日本漁業は大きなダメージを受けることになりそうだ。かつては水産輸出国として世界に的にも認められた漁業国日本だが、今では世界の貿易流通の四分の一(金額ベース)を占める世界一の輸入国になっている。・・・



特 集 「米政策改革を論評する」<1> 米・麦・大豆関連
 
   「発想を切り替え、産地は改革のネジを巻け!」  
       藤澤流通・マーケティング研究所代表 藤澤研二
 
      関心は交付金の行方
      自県産需要リサーチに躍起
      品質別集荷・管理・販売を
      付表・「米政策改革大綱」の決定プロセスについての評価
 
     読み切り
 
   「今後の米政策に必要な視点と輸入代替米価の提案」
       九州大学大学院助教授 鈴木宣弘
 
      国際化の進展とソフトランディング
      生産調整の位置づけ
      過剰米短期融資制度にマーケティング・ローンを拡充
 
     読み切り
 
ル ポ 能代発「農山漁村からの報告」米・麦・大豆関連
 
   コメ改革「安心安全へ記帳運動展開」 
       ドキュメンタリー作家 野添憲治
 
      記帳・診断システム「こめ通信簿」
      エサ米拡大、耕畜連携も
 
トピックス 食肉流通問題調査検討委員会報告畜産関連
 
   「事業創設は第三者の意見を」
       〜牛肉買取り制度を検証報告〜
       週刊農林編集部
 
 
 概要 牛肉買取り制度について検証していた農林水産省の食肉流通問題調査検討委員会が6月18日、報告書をまとめ、亀井農相に手渡した。報告では、同事業が周知・偽装防止の手だてを講じらなかったのは「日頃から不測の事態を念頭において危機管理体制を整備していなかったことに基本的な問題があった」と農水省を批判した。一方、食肉業界に対して、「食肉業界全体としてコンプライアンス経営への取組みが遅れている」と指摘、また食肉関係団体も「会員企業の近眼的な利益の擁護、代弁の役割しか果たしていない」と論断した。同委員会は牛肉買取り事業において事業者有利に政治が介入したとの批判を受け、武部農相(当時)が「食肉業界の政・官・業の癒着構造を明らかにする」として設置したものだが、委員会では「食肉業界と政治の話よりも、大半の委員がリスクコミュニケーションを検討すべきとの考えだった」(田中一昭委員長=拓殖大学教授)と、業界と政治の癒着構造にまで切り込まなかった。
 
焦 点 消費者が「食の安全・監視市民委員会」設立食品安全・食品表示
 
   「事業創設は第三者の意見を」
       週刊農林編集部
 
 
 概要 市民の立場から、政府の「食品安全委員会」のリスク評価、厚生労働省や農林水産省などのリスク管理に対して提言を行うとともに、食品関連事業者及び行政を監視し、食の安全性と信頼性を確立させることを目的とする「食の安全・監視市民委員会」が4月19日設立された。同委員会は、内閣府に設立される食品安全委員会の市民版。BSE問題、遺伝子組換え問題、農薬問題など、個別事例ごとにプロジェクトを組み対応していく。
 

農林水産トップニュース

 
 総 合
    農業環境政策の世紀<5> ドイツが持続型農業推進へ有機農業法制定、環境支払4割アップへ
 食品・安全
    農水省と厚労省が食品表示共同会議ひらき、加工食品の原産地表示義務化する考え(5/28)
 米麦・水田
    自主米価格形成センターが電子メールによるスポット取引、逆オークションを開始
 
園芸・果樹
    農研機構がバラ切り花の品質保持期限を最長5倍にする薬剤処方GLCAを開発
 畜 産
    飲料原料乳の入札取引導入に生処業界が否定、酪農乳業情報センター議論に棚上げも
 金融・農協
    <農中総研レポート> 相続増加でどうなる農協貯金!? 死亡率見込みと貯金流出額試算で検証
 構造・農村
    構造改革特区第2弾として17件を認定。有機農業推進にNPOが遊休農地借り上げ、など
 
林 野
    与党3党が環境教育推進で新法案を検討。民間の環境教育指導者育成を支援(6/17)
 
水 産
    水産庁の外来魚問題懇談会が中間報告、外来魚生息域を減少させることで一致(6/11)