2002年10月25日号
 

  

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農林抄 (論説/米改革・水田農業振興戦略への提言)
 
   「生産調整から環境創造型農業の創生へ」
       茨城大学農学部教授 中島紀一
 
 いま日本農業にとっての最も大切な戦略的政策課題は、「環境創造型農業の体制的創生」であろう。イメージ的に言えば、トキやコウノトリの舞う農村・農業の幅広い地域での創生であり、農業形態としては有機農業や減農薬・減化学肥料農業の思い切った普及拡大である。こうした課題の実現なしには21世紀における日本農業の生き残りはあり得ない。・・・



特 集 「米改革・水田農業振興戦略」<8>(最終回) 
 
 〜構造改革めざした米改革・水田農業振興戦略〜
 
   「21世紀の米政策」  (季刊特集
       フードディスカバリー(株)代表取締役 福井栄治
 
      供給サイドの問題
       (1)生産調整の転換
       (2)米特区の育成
       (3)経営基盤の拡充
      需要サイドの問題
       (1)外食、中食など産業用米ユーザーへの財政的なインセンティブ制度導入
       (2)新技術導入による新商品開発
       (3)輸出の活用

     
読み切り
 
 〜有機稲作拡大めざした米改革・水田農業振興戦略〜
 
   「環境保全型稲作を推進する生産調整」  (季刊特集
       NPO法人「民間稲作研究所」代表 稲葉光國
 
      環境保全型稲作の推進をめざした生産調整私案

     
読み切り
 
インタビュー 「私の農業セーフティネット論」<2>
 
   「セーフティネットと市場ルール」  (農業・農政改革
       慶應義塾大学経済学部教授 金子 勝
 
      良いものを作れば良い所得を確保できるルールを
      価格と質で競争できる市場に変えよ

     
つづく
 
トピックス 「安心できない健康食品」
 
   「健康食品から無承認薬が検出」  (食品衛生・食品表示
       週刊農林編集部
 
 
 ダイエット効果をうたった健康食品摂取により重篤な健康被害が多発、健康被害例は八百二十七人にも及び、このうち四人の死亡が確認された。これらの健康食品からは、食欲抑制効果があるフェンフルラミンやN−ニトロソフェンフルラミン等の医薬品成分が検出された。こうした健康食品による被害拡大を阻止するため、同省では「健康食品・無承認無許可医薬品健康被害防止対応要領」を緊急にまとめた。未承認の医薬品を含む製品以外でも、医薬品成分の検出がなくとも健康被害の原因と"疑われる"場合も製品名を公表する。現在、医薬成分が検出され健康被害があった四十三製品、医薬成分が検出されてないが健康被害が報告された七製品の計五十製品を「無承認無許可医薬品」と認定、また医薬成分は含有しないが健康被害が報告された四製品名も併せて公表し、注意を呼びかけている。
 
話 題 「牛乳の新しい価値発見」
 
   「国民栄養摂取の貢献度トップ」  (畜産関連
      〜酪農乳業情報センター分析〜
       週刊農林編集部
 
      付表1・栄養条件を満たしたメニュー価格
      付表2・純食料供給における主要栄養素別に見た食料別寄与率
 
 
 牛乳消費向上に向けては「骨や歯を効率よく形成する」「成長期に必要なビタミン類を豊富に含む」といった、牛乳が有する栄養機能性分析に焦点を充てたPRが定型化しているが、酪農乳業情報センターでは牛乳の新しい価値創造に向けて牛乳がもつ栄養素を価値換算して主要食材と比較する分析を試みた。分析手法は、@栄養充足性から見た牛乳の栄養経済性A牛乳の栄養コスト削減効果B栄養供給量から見た牛乳・乳製品の貢献度――の三つの視点で、注目されるのは我が国の国内食料総供給量における栄養素別供給量を分析した結果、総合評価で穀類や肉類を抜いて「牛乳」がトップに立った。
 

農林水産トップニュース

 
 総 合
    <WTO交渉の焦点> コメMA改善は少数派で苦戦必至。関税引上げもスイス・フォーミュラー方式か
 金融・農協
    農協の独禁法適用除外で農協系統が大反論。「農家や農協事業に大きな不利益与え、断じて認めない」(10/3)
 構造改善
    構造改革特区推進本部が特区推進プログラム決定、農業法人以外に農地貸付を容認(10/11)
 
農産園芸
    群馬県が無登録農薬の規制条例を施行。販売者の営業拠点に農薬管理指導を設置など(10/11)
 畜 産
    農水省が人と共通する抗菌性飼料添加物(抗生物質)を禁止の方針。牛用飼料の製造ライン分離決める(10/15)
 食品流通
    ホクレンが台湾と香港にタマネギ3200トン輸出。一方、国内では過去最大の5万トンを産地廃棄
 食 糧
    全中が米政策改革案まとめる。生産調整実施集団を編成し計画生産、麦・大豆・飼料作物の本作化など(10/2)
 
林 野
    森林総研が「地域材家づくり運動」の可能性探る。国産材需要拡大の起爆剤になるか!?
 水 産
    IWC特別会合がアイスランドを06年まで商業捕鯨中止条件で再加盟認める。先住民族生存捕鯨も承認(10/14)