2008年6月25日号
   
 

 

 

  

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焦  点 「イカ釣漁船が一斉休漁」
 
 
 天井が見えない原油高騰の影響で、イカ釣り漁船約3000隻が6月18日、2日間の一斉休漁に踏み切った。集魚灯を使うイカ釣り漁は他の漁業よりも燃油使用量が多く、原油高騰下において出漁するたびに赤字になるという状況にあり、イカ釣り漁最盛期の6月に休漁しなければならない事態に追い込まれた漁師の苦悩が見える。漁業だけではなく、畜産においても燃油や飼料高騰が反映されづらい流通構造は一朝一夕には改善できず、「畜産の飼料高騰対策と同じ、漁業にも個人にわたる直接補助事業を」と悲鳴が上がる。政治の綱引きの中で議論もなくガソリン税暫定税率を強引に復活させたつけが、ここに現れているのではないか。




農林抄(論説)農林抄一覧
 
   「飼料米振興に向けた課題」<下>
       東京農業大学農学部准教授 信岡誠治
 
 
<書き出し> 4月25日号の農林抄では飼料米振興の技術的な課題6点を指摘したが、経済的な課題としては次の4点が上げられる。
 第一は、飼料米生産農家の所得の確保である。当面の対応としては、飼料米と食用米との価格差は大きいので稲作農家の所得とモチベーションを確保する観点から飼料米を転作作物として地域協議会が認定し、積極的に推進していくことが求められる。また、中長期的な対応としては、本格的に増産していくために中長期的には飼料米を「本作」として位置づけていくことを提案したい。本作となれば麦や大豆などと同様に生産増強の重要品目として位置づけ、品目横断的経営安定対策の中に組み込んでいくことが必要となる。当然、水田転作ということでなくなれば増反に政策の舵を切り替えるといった思い切った政策展開が可能となる。その意味では、飼料米振興は農政の根幹を転換する重要なテーマである。・・・



特集「夢の超多収稲づくりへの挑戦」<1> (季刊特集
 
   「水稲の品種改良における収量性向上の現状と展望」
       農研機構・作物研究所低コスト稲育種研究チーム長 根本 博
 
      米生産性の変遷
      超多収研究の流れ
      超多収品種の育成方法
      育成された超多収品種
        ▼北海飼308号
        ▼北陸193号
        ▼タカナリ
        ▼モミロマン(関東飼226号)
        ▼クサホナミ
        ▼タチアオバ
      ワラ多収型品種
      今後の展望
      図1.国内の水稲反収の変遷
      表1.子実が多収な主要イネ品種
      表2.全重が多収な主要イネ品種

     
読み切り
 
   「飼料用超多収稲の開発と給与技術の展望」<1>
       山形大学農学部附属やまがたフィールド科学センター教授 吉田宣夫
 
      はじめに
      飼料米用の品種開発動向
      超多収に向けた栽培技術
      表1.近年開発されたWCS用イネ品種の概要
      表2.これまでに育成された玄米多収品種の概要

     
つづく
 
トピックス 農環研「農業分野からの温室効果ガス排出削減」<3> (政策
 
   「畜産の生産効率向上で温暖化ガス抑制」
 
      畜産から1435万dと農業区分の約半分
      国内畜産業と温室効果ガス排出
      家畜消化管内発酵からのメタン
      生産性下げずメタン発生抑制
      ふん尿からの発生の特徴と制御
      ふん尿の絶対量を減らす努力も

     
最終回
 
トピックス 自民党「農地政策見直しの方向」 (政策
 
   「国の責任で農地確保求める」
 
      集落営農法人化を緩和
      市町村ごとに代理貸付け組織

     
読み切り
 
トピックス (政策
 
   「コメ価格センター巡る議論」
 
      「指標価格」信頼性揺らぐ
      「相対価格」自主公表へルール策定
      全農、センター上場は機動的に
      入札ルール改定では存続不可能

     
読み切り
 
 
農林水産ニュース&解説
 
 経営・構造
    岩手県内陸南部を震源とする強い地震が発生し、林野被害中心に農林漁業関係に大きな被害(6/14)
 
米麦・水田
    農水省が政府米入札販売で07年産米が8倍を超える応札、加重平均落札価格は1万8076円と高値に(6/9)
 
畜   産
    近畿中国四国農業研究センターが「飼料用稲の生産・利用による耕畜連携」と「WCS給与技術マニュアル」
 
畑作・果樹
    米国の有機同等性に関する禁止3資材解禁の申し入れに対し、リグニンスルホン酸塩と重炭酸カリウム認める
 
農協・経済
    WTO農業交渉議長の第2次改訂版が括弧書きや選択肢の数は170カ所から30程度までに大幅に減少
 
食品・安全
    豊洲新市場予定地における土壌汚染対策専門家会議が詳細調査結果
 
環境・技術
    「生物多様性基本法案」が参議院本会議で可決・成立(5/28)
 
林   野
    森林総研が地下水音で豪雨時に山崩れの起きやすい場所を予測する方法を開発
 
水   産
    燃料費の高騰を受け、全国いか釣漁業協議会はイカ釣り漁船約3000隻が2日間にわたり一斉休業(6/18)