2007年7月5日号
   
 

 

 

  

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農林抄(論説)農林抄一覧
 
   「経営サポートする専門家育成を」
        江戸川大学経営社会学科教授 藤澤研二
 
 
<書き出し> 2006年度食料・農業・農村白書を眺めてみるものの、そこには敢えて取り上げるべき新味はない。とくに国内農業の体質強化に関わる部分は、農村現場の実情を見ていると白書の文言がますます空虚に感じられる。体質強化の主要な対象としての土地利用型農業については、鳴り物入りで登場した品目横断的経営安定対策も、その政策意図に反して、結局は施行段階で担い手基準がうやむやになり、真に支援すべき対象が誰なのかがぼやけてしまった。そもそも地域農業の将来方向を農業者自らが協議して決定するはずの地域水田農業ビジョンが産地づくり交付金獲得の手段として形式的な「単なる絵」に終わってしまったことが端的に示すように、農業者にも、行政・農業団体にも危機感は乏しく、自力更生の自覚や意志は見られない。・・・





焦  点 「料理の自給率を計算できるソフト作成」
 
 
 農林水産省は料理の自給率を簡単に計算できるソフト「クッキング自給率」を作成し、無料配布をはじめた。料理に使用されている食材とその量から、料理の国産(地元産)使用率を簡単に計算できるもの。また食事バランスガイドでみたバランス(SV数)も算出できる。農水省では「国産食材を使用した場合、食料自給率が平均的な自給率より高く算出されることから食堂等で国産食材へのこだわりを数値として表すことができる」として、中食・外食産業における販売促進ツールとして活用されることを期待。食料自給率表示を普及し、消費者の国産農産物需要の向上をめざす。ソフトは、農水省HPからダウンロードできる。



解説&論評「2006年度食料・農業・農村白書」 (農業政策
 
   「2005年世界の食料不足の事態も」
       週刊農林編集部
 
      途上国中心に総需要1.9倍増30億2000万トン
      地球温暖化で生産2億㌧減も
      穀物期末在庫率は最低水準高騰、セリ負けで輸入制約も
      必要最低限の熱量確保できない!?
      食料自給戦略構築のとき
      耕作放棄地の6割は土地持ち非農家・自給農家
      団塊世代と20代で強い2地域居住や定住
      付表・世界の人口、穀物の単収等と期末在庫率の推移
      付表・世界の穀物需要等の予測
      付表・米国のトウモロコシの主な目的別使用割合と総需要量の推移
      付表・耕作する耕地面積と耕作放棄地面積の農家等の区分別推移
      付表・二地域居住や定住への意識


     
読み切り
 
   「世界の食糧需給分析と食料・農業・農村白書」
       ユニパックグレイン(株)代表取締役 茅野信行
 
      日本の食料輸入
      エタノールの生産急増
      トウモロコシ市場の構造変化
      食糧とエネルギーのトウモロコシ争奪戦
      トウモロコシ増産の決め手


     
読み切り
 
トピックス解説「緑資源談合事件で農水省が対応スキーム」 (林野
 
   「緑資源機構『今年度』で廃止」
       週刊農林編集部
 
      起訴4法人で7割を落札
      幹線林道事業は県に移管
      2公益法人を解散
      公益法人の競争入札参加を禁止
      付表・緑資源機構の廃止に係る全体構図


     
読み切り
 
解  説「農業機械の省エネマニュアル」 (環境技術
 
   「地球温暖化防止に貢献する農作業」
       週刊農林編集部
 
農林水産ニュース&解説
 
 食品・安全
    牛ミンチ事件を受け農水省が食品違反告発情報の取扱いと対応を見直す「統一的なマニュアル」策定
 
畑作・果樹
    森林総研によるとセイヨウオオマルハナバチの野生化した個体が増加し、在来種減少に影響
 
金融・農協
    全農06年度取扱高が計画比99%の5兆3501億円、事業総利益は計画比91%の1139億3800万円
 
林   野
    美しい森林づくり全国推進会議が発足。設立総会で「美しい森林づくりのための行動宣言」を採択(6/1)
 
水   産
    農水省が今年8月の一斉更新後に適用する「指定漁業の許可省令」を一部改正案(6/14)