2006年9月5日号
   
 

(会員制)

  

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農林抄(論説)「新たな森林・林業基本計画への論評」
 
   「先進国型林業への転換」
        富士通総研経済研究所主任研究員 梶山恵司
 
 
<書き出し> 今回の森林・林業基本計画で最大の焦点となるのは、戦後林業の一大転換をどう実現するかである。現在の日本林業は、木材需給が逼迫し、かつ、木材の輸入が制限されていた昭和20−30年代の極めて特殊な状況下で構築されたものである。当時は人件費が安い反面、材価が異常なまでに高く、だからこそ、労働集約度が極めて高い短伐期皆伐施業も、木材の特性に反した複雑な流通も成立しえた。ところが、その条件は外材の輸入や変動相場制への移行で70年代には根底から覆っていく。本来なら、そこで日本林業は大きな構造転換を迫られたはずだが、実際にはこの昭和30年代の林業構造は、現在に至るまでだらだらと続いてきた。・・・


焦  点 「新「森林・林業基本計画」を答申」
 
 
 林政審議会(木平勇吉会長)は8月28日、新たな「森林・林業基本計画」と基本計画の策定に伴う「全国森林計画」の変更について中川農相に答申した。新基本計画は15年度の木材供給量目標を35%増の2300万立方bに設定した。ただ、前基本計画が10年度に2500万立方bの目標を掲げており、事実上の下方修正となる。これは算定の根拠となる木材伐出条件等の諸要件を現実の姿に近づけ、実現が見込まれる数量としたためで、今後、安定供給体制づくりや製材・加工の大規模化、高性能林業機械と路網整備を組合わせた低コスト林業を実現し、15年の国産材自給率を6.6ポイント引き上げ25.3%とする計画だ。



夏季特集 「園芸福祉で『新たな農業・農村のかたち』を創ろう!!」<4> (季刊特集
 
T 園芸福祉の概念及び園芸療法と欧米の取組活動
 
    「園芸療法について」<3>
       東京農業大学農学部バイオセラピー学科教授 浅野房世
 
      ソウル会議
      園芸療法士の資格
      EBM(医学的効果の実証)
      効果について
      効果評価の事例


     
最終回
 
U 多様な園芸福祉・園芸療法のモデル的取組活動
 
    「JA高齢者福祉事業における園芸福祉活動」<2>
       JA庄原ディサービス「ひまわり」園芸福祉士 松本正行
 
      反政策で休耕した水田を園芸福祉「ひまわり」農園に!
      地域の中で生きる「ひまわり」
      園芸福祉の役割の検証
      最後に


     
最終回
 
解  説「経営所得安定対策等実施要綱」<2> 農業政策
 
    「需要実績100%反映で『需要即応』本格化」
       週刊農林編集部
 
      米政策改革推進対策の再編整理
      地域づくり交付金1万5000円カット3万5000円
      ポスト稲得は担い手利用集積へ3000円加算
      集荷円滑化対策は支援金1000円上積み、持越し区分も支援
      付表・産地づくり交付金
      付表・米政策改革推進対策事業規模


     
つづく
 
解  説「新たな森林・林業基本計画」」林業
 
    「育成複層林誘導ペースを『なだらか』に」
       週刊農林編集部
 
 
 <要旨>林政審議会は8月28日、15年を目標とする新たな「森林・林業基本計画」をまとめ、中川農相に答申した。前森林・林業基本計画の検証では、多面的機能の発揮、林産物の供給・利用の目標とも、計画にはほど遠く、とくに最大の柱とした「育成複層林への誘導」は05年は94万ヘクタールにしか達せず、計画目標である10年140万ヘクタールは余りにも過大すぎた。林産物供給でも10年の供給量を2500万立方メートルと99年の2000万立方メートルから増加に転じると描いたが、逆に02年まで減少し、その後増加に転じたものの、04年は1700万立方メートルと基準年よりも減少した。新基本計画では目標設定に当たり現実的な算定根拠を用い、「多面的機能の発揮」の目標では施業方法別の面積設定を実面積をベースにし、最大の課題である「育成複層林への誘導」については「積極的」から「なだらか」な誘導へ方針転換し、15年の目標値を124万ヘクタールとした。一方、木材供給目標は前基本計画の2500万立方メートルから2300万立方メートルと下方修正した。近年堅調に増加している「合板用材」で、05年の100万立方メートルから300万立方メートルと3倍を見込んだ。この合板用材は数字的な問題だけではなく、「住宅建築に国産材合板を使用することで、住宅のオール国産化への動きが期待される」(林野庁)と国産製材の牽引力として大きな期待をかけ、製材用材は05年1100万立方メートルから15年には1400万立方メートルを目標に掲げた。ただ、政策的には新基本計画は焼き直しも目立つ。「林業採算性の悪化」を言い訳にしている限り、新機軸は期待できそうもない。もはや、林業低採算性・低予算を時代認識とし、そうした時代に生き残る森林・林業を模索する時だ。
 
概  説 「全国森林計画」林業
 
    「路網整備率を大幅に向上」
       週刊農林編集部
 
      育成複層林誘導対象林を明確化
      高性能林業機械と路網組合せ低コスト実現
      森林組合による提案型施業集約


     
読み切り
 
 

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