2006年5月15日号
   
 

 

 

  

数量     
   



農林抄(論説)
 
   「牛乳需要回復への道しるべ」
        学習院大学経済学部教授 上田隆穂
 
 
 さきごろ北海道で処理不可能牛乳900dの廃棄があった。乳業関連に携わる人々にとってこのことは大きなショックであっただろう。要因は多様だろうが、消費者需要の減退が大きいことは間違いない。昨年度J―ミルクから委託を受けた調査において大きな視点で需要減退要因を探った。特に対応可能な影響要因は順に「競合飲料の伸び」「老齢化(人口は増えず、若者比率の縮小)」「食生活の変化(外食や朝食の欠食が増え、洋食比率が下がり、規則正しく食事を取らなくなる傾向がある)」「牛乳流通チャネル構造の変化」が強く需要減退に効いていた。以上の結果から業界がとるべき戦略の方向性に関する示唆はいくつかある。・・・


焦  点 「米国産牛肉意見交換会が終了」
 
 
 米国産牛肉輸入問題についての意見交換会が4月24日の高松を最後に終了した。全国10会場で行われ、消費者らは日本政府の弱腰への批判やEVプログラム遵守の前提が崩れたことで食品安全委員会への再評価を求めるなど、輸入再開に慎重な姿勢が太宗を占めた。一方、外食産業等の実需者は「日本の輸入基準を緩和し、消費者に選択させるべき」といった早期の輸入解禁を要望する声が強いなど、消費者・実需者双方の対峙は輸入解禁前といささかも変わっていない。中川農相は25日の閣議後の会見で「全国の意見を総括した上で次のステップ(解禁)に行くのか、行かないのかを判断したい」と慎重な姿勢を示した。



春季特集 「米政策改革2年の検証と米改革・水田農業振興戦略への提言」<3> (季刊特集
 
    「コメ政策の検証と今後の課題」<2>
       宮城大学事業構想学部学部長 大泉一貫
 
        (4)評 価
      「17年食料・農業・農村基本計画」に見る飛躍的生産力向上と民の役割期待への脆弱さについて
        (1)構造改革のメッセージ性に欠けてはいないか
        (2)構造改革と生産目標数量との間に難点がある
        (3)民の創意を官が計画として書き込めるか
        (4)農地法の改正等、戦後の枠組みの改正は?


     
つづく
 
    「米政策改革2年の評価と提言」<1>
       滋賀県立大学環境科学部教授 小池恒男
 
      米政策改革がめざしたもの
      米政策改革後に起こっていること
      「米づくりのあるべき姿」はどこまで実現されたか


     
つづく
 
解 説「ポジティブリストがいよいよスタート」<下>   (農業政策食品安全
 
    「『検査』で安全は担保できない」
       週刊農林編集部
 
      安全に万全を期し休薬期間延長
      医薬品使用基準は最新情報を
      養殖業者も地域協議に参加必要
      飼料残留基準は給与実態考慮
      リサイクル「敷料」に注意
      消費者も安全コストに対価を

     
おわり
 
概 説「新バイオマス・ニッポン総合戦略」   (バイオマス
 
    「バイオマス燃料3割確保へ6地区で実証実験」
       週刊農林編集部
 
      バイオプラ6割コストダウンで利用拡大
      バイオマスタウンの構築300地区
      農林漁業連携したバイオマス利活用

     
読み切り
 
トピックス「初の食育基本計画策定」   (食育
 
      学校給食へ地場産使用3割以上目標
      朝食欠食児童ゼロに!
      栄養教諭を全国に配置


     
読み切り
 
 

農林水産ニュース&解説

 
 食品・安全
    農水省が豆腐と納豆の原料大豆の原産地表示ガイドライン(骨子)をまとめる(4/24)
 
畑作・果樹
    農水省が06年農業生産技術指導を通知。省エネ対策、鳥獣害防止対策を充実改定(4/21)
 
畜   産
    3月生乳生産量が7カ月ぶりに減少。中川農相が乳製品援助輸出がなかなか実現しないことに苛立ち
 
農協・金融
    全農が「新生プラン農業担い手支援基本要領」を策定。基準により選出した支援対象農業者を「登録」(4/25)
 
林   野
    中川昭一農相が国有林野現行業務の一部独立行政法人化など定員内職員を2400人削減の考え(4/21)
 
水   産
    水産庁が魚介類の名称ガイドラインの見直しへ。現行ガイドラインで小売業者が困惑(4/13)
 
 

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