2006年2月5日号
   
 

 

 

  

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農林抄(論説)
 
   「阪神大震災11周年と食・農・村・林」
        お米の勉強会代表 村山日南子
 
 
 あの阪神・淡路大震災の折、私共は大変な被害を受けました。水も食べ物も燃料も、何一つ自前で調達できない私共を、震災直後から必死に支えて下さったのは農家の方々でした。あらゆる手段を使って、持てる限りの食べ物や水、日用品を携えて助けに来て下さいました。私共は、そのときの感謝の気持ちを支えに、あるべき復興の道を探り続けてきました。そして、やっと今年1月17日の震災11周年の日に、あの時助けていただいた全国の、世界の皆様へのお礼の意味を込め、震災から学んだ教訓を提言集としてまとめ出版することができました。震災直後、最初に痛感したことは、都市にこそ農山村が必要であることと、町内の幼児や老人、病人、障害のある人たちを、どこかへ一緒に疎開させたいという思いでした。そこで「故郷村を作ろう」と、震災後隔週に開いてきたバザーなどあらゆる機会を通じて、食と職の確保をめざす都市と農山村の自治体間の協定締結を訴えました。・・・


焦  点 「BSE局長級会合で米国が謝罪」
 
 
 米国から輸入された子牛肉に脊柱が含まれていた問題で日米両政府は1月24日、日米局長級会合を外務省で開き、米農務省のペン次官は重大な違反に対し謝罪した。会議では、日本政府が徹底した原因究明と再発防止策の確立が重要と申入れ、今回の問題発生の原因の詳細な調査を要求。米側は再発防止策のとりまとめ作業を行うとともに、原因の徹底調査を続けると表明するにとどまった。川崎厚労相は27日の閣議後の会見で、「直ちに止めるべしという意見は、うちの役所が一番強い主張。アメリカの対応を見ても、やはり約束違反をしたのはアメリカだという受け止め方をしている」と米国の責任を強調した。



新春特集 「大豆自給戦略の研究」<3>        (季刊特集
 
    「大豆の自給率向上に向けた新品種の開発」
       農研機構・作物研究所豆類育種研究室長 羽鹿牧太
 
      最近育成された新品種とその特徴
      新たな情勢に対応した育種の方向
      新たな品種育成技術の活用
      付表・最近育成された主な品種一覧


     
読み切り
 
    「国産大豆振興戦略への提言」
       藤澤流通・マーケティング研究所代表 藤澤研二
 
      人口減少でコメ消費500万トンへ激減・高齢化は大豆食品の潜在需要高める
      品質、コストに対応した支援策を
      付図 世帯年齢別の大豆食品の年間購入額


     
読み切り
 
トピックス「べにふうき緑茶」が人と農を救う   食品・安全
 
    「花粉症軽減効果を科学的に証明」
       週刊農林編集部
 
 
 早い人はそろそろ花粉が気になる季節。花粉症に悩む人に朗報――。農研機構・野菜茶業研究所、九州大学、アサヒ飲料、森永製菓ら7社の産学官で構成する茶コンソーシアムが緑茶の「べにふうき」に花粉症やアトピーなどアレルギー症状に改善効果があることを科学的に突きとめ、これらを製品化したキャンディ、飲料、さらには健康補助食品が1月下旬以降、アサヒ飲料、森永製菓から順次発売された。「べにふうき」は、野菜茶業研究所(旧・野菜・茶業試験所)で育成され、93年に命名、農林登録された紅茶用の茶葉。97年に有効性分「メチル化カテキン」の含有が発見された。茶コンソーシアムが行った臨床試験では、花粉症症状である目のかゆみや鼻水を軽減する効果があり、「即効性があり、軽減効果は30分程度で現れる」(山本万理・野茶研茶機能解析研究室長)という。一方、アトピー性皮膚炎など通年性アレルギー患者も6カ月以上服用することで改善効果があるとの治験を得た。茶コンソーシアムでは臨床試験以外にも、メチル化カテキンの効果的な作出・抽出方法や食品への利用方法も開発した。将来的には外用薬への応用研究も視野に入れており、現代病とも言われる花粉症やアトピー性皮膚炎などアレルギー症状改善に大きな期待がかかる。
 
 
      6カ月以上服用でアトピー改善
      「べにふうき」に3大抑制効果
      苦味・渋みを抑え製品化成功


     
読み切り
 
解  説 「05年農林業センサス/農林業経営体調査」<3>    (農業政策
 
    「販売農家から自給的・非農家へ流れ加速」
       週刊農林編集部
 
      65歳未満専業20万戸切り9・5%に縮減
      借入7万増の70万f、2割が流動化
      借入供給源の8割が自給的・非農家
      付表・農家構造の変化の推移/農地構造の変化
 
 

農林水産トップニュース&解説

 
 農村・構造
    農水省が「農用地等の確保に関する基本指針」を改訂、食料自給率目標達成に向け農地総量の9割農用地区域内農地で確保
 
食品・安全
    厚生労働省研究班が魚食が心筋梗塞症など虚血性心疾患リスクを低減と発表
 
畑作・果樹
    農水省が無人ヘリコプター利用の留意事項の改正案示す。都道府県レベルの協議会の役割を強化(1/18)
 
畜   産
    米国産牛肉に特定危険部位の脊柱の混入で再び全面停止。責任の所在が曖昧で国内では責任のなすりあい(1/20)
 
金融・農協
    05年度上半期の総合JAの事業総利益が0・2%増と10期ぶりに増加。信用事業大幅増が寄与
 
林   野
    政府が違法伐採対策でグリーン購入に合法性、持続可能性が証明された木材証明必要に
 
水   産
    水総研がDNAを標識とした放流ヒラメの追跡手法を開発。8割のヒラメが放流された同一県内で漁獲(1/13)
 
 

農林水産省 農水省