2005年12月25日号
   
 

 

 

  

数量     
   



農林抄(論説) 「鳥インフルエンザ対策への提言」
 
   「野鳥は運ぶか? 鳥インフルエンザ」
        日本野鳥の会自然保護室主任研究員 金井 裕
 
 
 またまたアジアを中心としたユーラシア大陸各地で、強毒の鳥インフルエンザが猛威をふるっている。タイでは数百羽のスキハシコウというコウノトリの仲間が、そして今年は5月に中国の青海湖でインドガンが、数千羽死亡し、野鳥にとっても大きな脅威となりつつある。世間一般では、洋の東西を問わずこの凶悪ウイルスを渡り鳥が運んでいるのではないかと、疑われている。ヨーロッパへの侵入でも、中国国内の発生でもニュース報道や政府発表ではまず渡り鳥が上げられて来た。しかし、野鳥の生態を考えると渡り鳥が運んだのではおかしいことがたくさんある。・・・


焦  点 「米国産牛肉第1便到着」
 
 
 政府は12月12日、BSEの発生で輸入停止していた米国産とカナダ産牛肉の輸入再開を決めた。このわずか4日後の16日には、輸入第1便が成田に到着した。輸入者は丸大食品で、品質確認のためのサンプル品として米国産の冷蔵牛肉4・3dと横隔膜、舌などの内臓肉0・3dの計4・6d。輸入再開を渇望していた吉野家ディー・アンド・シーは14日、米国産牛肉を使用した牛丼販売まで2カ月程度かかるとの見通しを発表した。原料となるバラ肉の供給量が国内需要の16%程度と低いことから、当面は限定販売になる。一方、タンやハラミなど内臓肉は生産履歴によって証明される牛由来に限られることから、その充足率は6.8%しかない。



特  集「世界大流行へ危機感高まる鳥インフルエンザの予防と対策」畜産
 
    「鳥インフルエンザの理解と新型インフルエンザ出現の可能性」
       鳥取大学農学部獣医公衆衛生学・
       鳥由来人獣共通感染症疫学研究センター教授 伊藤壽啓
 
      アジアにおける鳥インフルエンザ大流行の要因
      新型ウイルス出現の可能性
      次の新型ウイルスは本当にH5タイプなのか?
      何故いつもアジアで発生するのか?――東南アジアはウイルスのエピセンター
      新型ウイルス出現に対する備えは万全か?
      今、我々がなすべきこと


     
読み切り
 
    「鳥インフルエンザ対策の世界的動向と問題点」
       農業情報研究所主宰 北林寿信
 
      インフルエンザ・パンデミック対応計画
      ワクチン開発と抗ウィルス薬争奪戦
      発生源対策こそ目下の急務


     
読み切り
 
論  評「米国産牛肉輸入再開」  畜産
 
    「『自己責任』押し付けでいいか」
       〜リスク評価と安全評価は別物〜
       週刊農林編集部
 
 
<要旨>12月12日、BSE発生で輸入がストップしていた米国産、カナダ産牛肉の輸入が解禁した。食品安全委員会プリオン専門調査会の吉川座長は最終答申後の会見で、「リスク管理機関が諮問に当たり示した仮定が遵守できるかが問題になる。答申は1つの通過点で、ゴールではない。米国の遵守は管理機関の力量が問われる。審議では評価拒否や評価不能もあり得たが……」と最後まで前提付き諮問に不満を募らせた。寺田食品安全委員長は「外国とは国と国の政治的な面もあり仕方がない」との見解を示した。ゼロリスクはあり得ないというのが科学の常識だが、もしこうした発言を認めるならば一体誰が国民の食の安全を守るのだろうか。食品安全委員会でさえ「消費者が選択すべき」と、自己防衛を呼びかけている。
 
解  説 「全農組織・事業大改革」<上>     (農協改革
 
    「要員5年で5000人削減」
       週刊農林編集部
 
      削減効果を担い手対策財源に
      子会社は203社から100社前後に
      子会社管理は全国本部直轄に改変


     
つづく
 
解  説「05/06年の主食用米需要見通しと06年産米生産目標数量・都道府県配分」米・麦
 
    「生産目標数量18万d減の833万d」
       週刊農林編集部
 
      需要見通しウェート9割に拡大
      増配分3県、9割
      41都道府県は減配分
      付表1・06年産米の都道府県別生産目標数量
      05/06〜06/07年の主食用米需給見通し


     
読み切り
 
 

農林水産トップニュース&解説

 
 総合/構造
    農水省が担い手取組推進方針と品目横断的経営安定対策の経営規模要件の特例基準ガイドラインを通知(11/21、29)
 
食品・安全
    帯広畜産大学と日清紡が鳥インフルエンザウイルスを99%以上不活化するコットンを開発(12/14)
 
畑作・果樹
    農水省が米国産リンゴ火傷病防疫撤廃で「火傷病防疫指針案」、火傷病早期発見体制と発生時の初動対応を示す(12/9)
 
畜   産
    中酪が13年ぶりに生乳計画生産抑制の方針決める。脱粉に加え、バター在庫積増しも回避
 
金融・農協
    JA共済連に多数の共済金支払漏れ、支払管理態勢等に不備が見られたとして農水省が業務改善命令(12/9)
 
林   野
    全森連が次期系統運動は数値目標掲げて3大改革プロジェクトを実践
 
水   産
    04年度漁業生産額が0・9%増の1兆6049億円と7年ぶりに増加。海面漁業の生産額が2・8%増
 
 

農林水産省 農水省