2005年5月25日号
   
 

 

 

  

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農林抄 (論説/農林水産研究基本計画への論評)
 
   「ゲノム時代の作物育種戦略と新研究計画」
       かずさDNA研究所副所長兼植物遺伝子研究室長 田畑哲之
 
 
 ゲノム解析技術の進歩や普及にともなって、農作物を含む多くの植物種について大量の遺伝子構造、機能情報が蓄積しつつある。これらの情報が新たな品種の育成プロセスを加速することが期待されており、今回の新「農林水産研究基本計画」においても「ゲノム情報等先端的知見」を生命現象の解明あるいは新規品種の開発に役立てることが目標として掲げられている。また、開発のターゲットとしてイネ以外の幅広い作物種に焦点が当てられていることも、時宜にかなった判断であるといえる。しかし、各論の実施においてもなお計画本来の趣旨を強く反映させるためには、政策決定、研究立案、研究実施の各プロセス間の綿密な擦り合わせと強いリーダーシップが必要である。・・・


焦 点 「諫早湾差止め仮処分を取消し」
 
 
 国営諫早湾干拓事業と有明海の漁場悪化に因果関係を認め工事を差し止めた佐賀地裁の仮処分決定に対して国が抗告申立てしたことに対し、福岡高裁は5月16日、「漁業者側の立証は不十分」として国の保全抗告を認め、地裁の仮処分決定を取り消した。漁業者側は潮受け堤防の排水門開放を国に義務づけることを求める行政訴訟を佐賀地裁に起こすことを決め、最高裁への抗告は見送った。判決では工事と漁業被害の関連性を否定しなかったものの、「工事は漁業環境悪化との厳密な関連性までは認められず、複合原因の一つとして被害をもたらす可能性にとどまる」と立証が不十分と判断した。これを受けて農水省は18日に工事を再開した。



解説と論評 「農林水産研究基本計画」          (季刊特集技術・IT
 
    「コエンザイムQ10高含有米を育成」
       週刊農林編集部
 
      研究の新理念と重点目標・期別達成目標
      GMカイコで軟骨再生、臓器移植モデル豚作出
      バイオマス高効率収集・輸送・変換システムを開発
      基礎的・基盤的研究
      成果の普及に担い手と一体で現地実証
      農水産研究施策
      付表・農林水産研究基本計画概念図


     
読み切り
 
 
特 集 「21世紀農業技術開発戦略の研究」<新春特集より通巻8>   (季刊特集技術・IT
 
    「食料自給率の向上と農林水産研究基本計画」
       東京大学名誉教授 熊澤喜久雄
 
      研究基本計画における農業資源と環境
      研究基本計画と持続可能な農業
      研究基本計画と食料自給率


     
読み切り
 
    「農林水産研究の重点目標に掲げられた『植物工場』」
       大阪府立大学大学院生命環境科学研究科教授
       農林水産政策研究所食料消費研究室長   村瀬治比古
 
      はじめに
      グリーンジェネシスと植物工場
      研究基本計画と次世代型植物工場開発プロジェクト
      おわりに


     
読み切り
 
概トピックス「農林水産物輸出戦略の構築と展開」       (国際/貿易
 
    「オールジャパンで輸出拡大全国組織旗揚げ」
       〜農林水産物等輸出促進全国協議会〜
       週刊農林編集部
 
      十分なマーケティングで日本ブランド発信
      東ア市場ターゲットにブランド戦略展開を


     
読み切り
 
 

農林水産ニュース&解説

 
 食品・安全
    厚労省研究班が食生活と大腸がん研究で、野菜・果物摂取による予防効果薄い、伝統型、欧米型食生活の女性ほど高リスク
 
米穀・水田
    中央農業総合研究センターが無人田植機実演デモ、30アールを苗補給せず1時間で終了(4/28)

 金融・農協
    全農品質向上委員会がコンプライアンス向上へ、職員のコンプライアンス評価等の導入求める提言
 
畑作・果樹
    農水省の調査によると、農協直売所の利用者の8割が周辺居住者、販売米の17%が県外品
 
畜   産
    農水省が飼料自給率全国飼料増産行動会議ひらく。10年後までに粗飼料自給率100%実現掲げる(5/11〜12)
 
林   野
    富士環境システムが間伐材と古紙を利用した断熱ボード「ラフトンボード」発売
 
水   産
    04年の漁業・養殖業生産量が5・8%減の573万3000dと2年ぶりに600万d台を割れ