2004年4月25日号
   
 

 

 

  

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農林抄 (論説/エチゼンクラゲ対策への提言)
 
   「漁業被害防止にエチゼンクラゲ生態研究を」
       熱帯海洋生態研究振興財団阿嘉島臨海海洋研究所所長 大森 信
 
 
 昨年、日本海沿岸を中心にエチゼンクラゲが大量に出現して漁業被害をもたらして話題になった。水産庁の提案で、2月24日に中国と韓国から研究者を招いて、「大型クラゲに関する国際ワークショップ」が開かれ、生態の解明と漁業被害防止技術の開発を目的として情報の交換が行なわれた。エチゼンクラゲの日本海沿岸への大量出現は、記録にあるだけでも1920年、1958年、1995年、2000年、2003年に起こっているのに、これまで出現や分布に関して精査されることはなかった。・・・


焦 点 「食品安全委が全頭検査再検討」
 
 
 食品安全委員会は4月15日に開いた会合で全頭検査の見直しを含め、国内のBSE対策を再検討することを決めた。同会合で小澤義博OIE名誉顧問が「国際獣疫事務局とBSE関連の国際基準について」講演後の質疑で、委員から「国内のBSE対策について論議が必要」との意見が挙がった。これ受けて国内のBSE対策を再検討するため、専門調査会で議論を始めることになった。委員を務める専門家の間では全頭検査の必要性の見方は別れているものの、どちらかと言えば否定的な意見が大勢的だ。今後、全頭検査の対象年齢を引上げることが検討されると見られる。食品安全委員会が諮問もなくリスク評価を行なうことは非常に異例で、今後の成り行きが注視される。



検証・提言 「健康・食生活・国産農産物消費拡大戦略」<3>
 
   「ご飯2杯食べて健康生活」  (農業・環境政策食料・農業・農村基本法関連
      〜「食生活指針」評価と提案〜
       週刊農林編集部
 
      米消費350万トン増え、自給率50%超
      食品群別フードガイド図つくろう
      指針活用に健康モデルメニュー表を

     
つづく
 
春季特集「日本・アジアFTA農業交渉戦略構築への提言」<2>  (国際・貿易
 
   「WTOの原則と日本のFTA設立交渉」<1>  
       青山学院大学WTO研究センター客員研究員
       元ガット事務局交渉担当官    高瀬 保
 
      WTOの無差別待遇原則を擁護すべき日本
      無差別待遇原則からの例外〜関税同盟と自由貿易地域(FTA)〜


     
つづく
 
   「FTAを市民運動はどう考えるか」
       脱WTO草の根キャンペーン事務局長 大野和興
 
      韓国市民運動とも連携
      排他的関係を強化しないか
      混乱する経済秩序


     
つづく
 
 

農林水産トップニュース

 
 総  合
    韓国・チリFTAが発効。米・リンゴ・なし関税撤廃を除外。韓国は価格下落に1兆2000ウォン基金で所得補填(4/1)
 食品・安全
    食育基本法は「農業振興法」か! 「食育」の本来目的を大きくゆがめる
 米麦・水田
    コーデックス委員会部会がカドミウム摂取許容量国際基準値を0.2ppmから日本提案の0.4ppmに引下げ
 
畑作・果樹
    果樹農業振興基本方針策定が各論検討に入る。若者・中年世代の需要減退へ欠食習慣と果実消費の関連性分析を
 畜 産
    全国鶏卵需給調整会議で計画生産に代わる自主的生産ガイドラインで農水省が卵価回復は最低4%削減必要と示す(4/16)
 金融・農協
    農中総研が地域経済の低迷と再生に向けた金融機関のあり方レポート。農協は地域と金融の一体再生の視点必要
 
構造・農村
    2000〜03年度までの中山間地域等直接支払制度の実施状況は協定締結面積が対象農用地の85%に達する
 
林 野
    温室効果ガスの京都議定書上の森林吸収量見通しが当初の2.9%から3.1%に向上
 
水 産
    水産防疫体制専門家会議が特定疾病の届出義務化を検討、魚病判断可能な知識の向上が必要(4/13)