2009年2月5日号
   
 

  

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農林抄(論説)農林抄一覧
 
   「日本型IQ導入へ再検討を」
       三重大学生物資源学部准教授 勝川俊雄
 
 
 <書き出し> かつて世界一の水揚げを誇った日本漁業は、衰退の一途をたどっている。日本の水産資源は枯渇し、漁獲量および漁業者の減少に歯止めがかからない。日本漁業の生産性は極めて低く、存続すら危うい状態である日本では、漁業は衰退産業だと考えられているが、世界的には、漁業は成長産業である。ノルウェー、豪州、NZなど、積極的に資源管理に取り組んだ漁業国は、資源量を維持しながら、漁業収益をコンスタントに伸ばしている。これらの国が利益を出せるのは、漁獲枠を予め個々の漁業者に配分する「個別漁獲割当」という制度を導入しているからだ。漁獲枠を個別に配分すると、漁業者間の魚の奪い合いを抑制できる。自らの獲り分が確保されているので、漁業者は価値がある魚を、じっくり狙って獲ることができる。限られた自然の生産力を、有効利用できる、合理的な制度である。・・・





焦  点 「農政改革で閣僚会合設置」
 
 
 政府は農政改革に向けて広範な議論を行なうため、内閣官房長官及び農政改革担当大臣の主宰による「農政改革関係閣僚会合」を設置、1月28日に初会合を開いた。石破農相は、「農政改革担当大臣」に指名された。また、石破農相は前日27日に食料・農業・農村審議会に現行基本計画の見直しを諮問した。閣僚会合と審議会両者の相互関係について、農相は「牽連関係にはない」と説明。また、閣僚会合設置の狙いについて「農政改革には非常に広範な課題があり、農水省単独で完結するものではない部分もある。また、農政改革大臣を任命することで、内閣の重要課題として政府を挙げて取組む強い意思表示の意図がある」と述べた。



特  集「2009年度農林水産予算」 (政策
 
   「農林公共「1兆円」割れ」
       週刊農林編集部
 
      予算総額2.9%減の2兆5605億円
      08年度第2次補正予算
      森林境界確定へ新規事業
      農林水産公共事業
      農業関連予算
      林野関係予算
      水産関係予算
      付表・2009年度農林水産予算総括表
      付表・2009年度農林水産予算公共事業費一覧
      付表・水田等有効活用自給力強化向上総合対策

     
読み切り
 
   農林水産予算概算要求のPOINT
 
解  説「2009年度農林水産予算主要施策」<1> (政策
 
       〔食料安全保障の確立〕
 
国内における食料供給力の強化/米粉・飼料用米等の飛躍的利用拡大に向けた供給体制の整備/飼料自給率向上対策/国産野菜・果実等の利用拡大対策/耕作放棄地解消対策/食料自給率向上、食品廃棄物の発生抑制等に向けた情報発信
       〔世界の食料事情に的確に対応した戦略的取組〕
 
食料事情に関する情報の把握・提供体制の強化/国際協力等を通じた世界の食料問題解決への貢献/我が国農林水産物・食品の輸出の促進
       〔農業体質強化による食料供給力確保〕
 
意欲と能力のある担い手の育成/食料の生産基盤である農地の確保・有効利用の促進/食料供給コストの縮減/農業用水の安定的供給の確保
       〔省エネ・省資源化の推進〕
 
農林水産分野における原油・肥料・飼料価格高騰対策/肥料コストを抑えた施肥体系への転換促進/飼料価格の高騰に対応した飼料供給体制の強化/林業分野における対策/その他関連対策
       〔食の安全・信頼確保と食生活の充実〕
 
食の安全と消費者の信頼確保に向けた取組の充実/消費者の信頼確保/動植物の防疫対策の推進/食育の推進/食と農のつながりの深化に向けた取組/先端技術や知的財産の活用/イノベーションを先導する技術開発の加速化/知的財産の戦略的な創造・保護・活用
       〔農山漁村の活性化〕
 
都市との共生・対流を通じた農山漁村活性化対策の展開/農商工連携の推進/暮らしを守る鳥獣害対策の展開/安全・安心な農山漁村づくりの推進
       〔資源・環境対策の推進〕
 
農林水産分野における地球温暖化対策の強化/非食料原料による国産バイオ燃料生産拡大等バイオマス利活用の推進/農林水産業における生物多様性保全の推進
 
       〔組織改正〕