2004年10月15日号
   
 

 

 

  

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農林抄 (論説/基本計画見直しへの提言)
 
   「品目横断経営安定策への懸念」
       農業評論家 土門剛
 
 
 関税が下がっても畑作や水田作など大規模農家が安定して農業経営を続けるには、農水省が導入を検討している「品目横断経営安定策」は一つの解決策だが、これも運用を誤ると初期の政策目的を遂げることはできない。「品目横断経営安定策」については、畑作と水田作での「プロ農業経営」を対象とする考えが示されている。ただ「プロ農業経営」の定義について、今のところ農水省は「効率的かつ安定的な経営」と説明しているだけで具体的な定義については今後の検討課題となっている。・・・


焦 点 「果樹経営10年後に半減」
 
 
 農林水産省は9月28日、果樹の販売主業農家が2007年には現在の半分以下に減少するというショッキングなデータを公表した。農業経営者は食料・農業・農村審議会果樹部会産地・経営小委員会で明らかにしたもので、2000年時点で果樹の販売主業農家の農業者は10万人いるが、これを将来の高齢による離農を推計したところ、2007年時点には経営者数は4万人にまで激減する。また、栽培面積も9万8000fから半減の5万fにまで縮減すると見通した。ただ、ここには新規就農者は加味してない。今後、経営規模が1・5倍に拡大したとしても栽培面積は6万f程度しか維持できず、2倍でも8万fと縮減は免れない。



夏季特集 「食料自給戦略の研究」<7>        (季刊特集
 
   「構造改革を通じた食料自給率の向上は可能か?」
       宮城大学事業構想学部教授・学部長 大泉一貫
 
      諸外国との生産条件格差是正を
      2割のプロ稲作農家が8割のシェアへ構造改革
      米価維持思想が直接支払による構造改革遅らせる


     
読み切り
 
    「WTOの枠組み合意の評価と国内政策の方向性」
       九州大学大学院教授・コーネル大学教授 鈴木宣弘
 
      米国が主張した「競争条件の平準化」に沿う「階層方式」に満足
      米国の輸出補助的国内支持は「お咎め無し」か
      米国も本当は嬉しいセンシティブ品目の除外


     
つづく
 
概  説 「2005年産畑作物価格」     野菜・果樹農業政策
 
    「新麦経は品質評価する『結果主義』」
       週刊農林編集部
 
      麦 「Dランクは最低所得補償の役割」
      大豆 「累積赤字解消へ拠出率見直しと算定基準改定」
      甘味資源作物 「平均糖度帯をスライド」
      でん粉原料用いも 「工場廃水処理対策を重点化」
      付表1・2005年産畑作物価格等
      付表2・麦作経営安定資金の単価(小麦)
      付表3・麦作経営安定資金、関連対策の経緯


     
読み切り
 
検  証 「健康増進・食生活改善・国産農産物消費拡大戦略」<5>  (農業政策
 
    「健康食モデルメニュー、レシピつくろう」
       週刊農林編集部
 
      食育推進「効果あげていない」
      超党派での食育基本法制定を 
 
概  説 「第8次卸売市場整備基本方針」  (農業政策農業・農政改革
 
    「中央卸売市場の再編基準示す」
       週刊農林編集部
 
      食の安全・安心対策を新たに盛り込む
      地方は拠点市場基幹に再編
      市場各段階毎に品質管理策
      卸売市場SCM構築へ


     
読み切り
 

農林水産ニュース&解説

 
 米穀・水田
    米先物上場・取引市場の研究<1> 東京米穀取引所が世界の中核的役割発揮へ報告書
 畜   産
    農水省研究会が2015年度に乳用牛乳量12%アップ、肉用牛肥育期間4カ月短縮など改良増殖目標示す(10/6〜7)
 構造・農村
    農水省が株式会社やNPO法人など農業生産法人以外の農業参入の仕組み示す(10/1)
 
林   野
    政府が環境保全活動・環境教育方針に基づく基本方針を閣議決定、環境教育の支援メニュー定める(9/24)
 
水   産
    WTOルール交渉会合で日本が漁業補助金原則廃止に反論、補助金の必要性から分類して議論求める(9/28〜10/1)