2004年4月5日号
   
 

 

 

  

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農林抄 (論説/日墨FTA交渉への提言)
 
   「メキシコとのFTA大筋合意を受けて」
       九州大学大学院教授 鈴木宣弘
 
 
 昨年10月フォックス大統領訪日時の政府間合意成立に失敗し、長期化も懸念されたメキシコとのFTA交渉であったが、関係者の努力により、ここにきて事態が急転し、ついに政府間の大筋合意にこぎつけた。日本にとっては、はじめて農産物を実質的に取り込んだFTAの成立である。なぜなら、シンガポールとのFTAでは、実効無税の品目のみを含めただけで、実際に農産物の関税の撤廃ないし削減が新たに行われた品目はなかったからである。今回の合意は、農業を含めたFTAは十分に可能だということを示した。日本はメキシコからの約500品目の農産物関税撤廃要求リストのうち野菜、果物、鶏卵、コーヒー、植物油など約300品目の関税撤廃に応じ、これは、豚肉を除いたメキシコからの農産物輸入額の90%以上(豚肉を含めると40%)に該当する。・・・


焦 点 「アジア最大のトマト菜園が和歌山に」
 
 
 和歌山県と和歌山市がカゴメ(株)と「食と緑の工場特区」実現で3月29日、和歌山市加太のコスモパーク加太で大規模養液栽培温室によるアジア地域最大のトマト菜園を行なうことで調印した。コスモパーク加太は関西国際空港用土砂採取跡地で、構造改革特区により土地所有者の和歌山県土地開発公社が賃貸できるようになったことで、カゴメが同公社から土地を借りて運営する。トマト栽培はハイテク型の養液栽培を実現し、約20fの規模の温室を建設する。来年8月から順次操業する。同県トマト生産量にほぼ匹敵する年間5000〜6000dを生産し、主に近畿圏に出荷する。27億円の売り上げを見込んでいる。



特  集 「日本・アジアFTA農業交渉戦略構築への提言」<1>  (国際
 
   「日−タイFTA:日本−アジア型FTAを」
       東洋大学教授 服部信司 
 
      焦点に位置するタイ
      主要なFTAは、例外・除外品目を伴っている
      日−タイFTA:「除外品目・柔軟措置の設定」という主要FTAの経験に基づくべき
      日−タイ共同研究会:困難作物の説明と農業協力の提起
      農業については、「協力と貿易拡大のバランス」を図る


     
読み切り
 
   「日韓自由貿易協定における農林水産物の取扱い」<2>
       九州大学大学院教授 鈴木宣弘
 
      価格は韓国の方がむしろ高いが、生産費は韓国がかなり低い
      実質的輸出補助金の取扱い
      国産プレミアムはどのくらい見込めるか
      日韓国生乳は九州に来るか?
      付表・日韓の施設野菜類生産費及び所要労力比較
      付表・日韓のナスに関する経営成果の比較(2001年)
      付表・日韓の生乳1キロ当たり生産費比較


     
つづく
 
   「日本・アジアFTA農業交渉戦略について」
      〜日韓基軸戦略の深化を求めて〜
       国際食糧農業政策協議会理事・東京農業大学客員教授 白岩 宏
 
      シンガポール方式からメキシコ方式へ
      WTO多国間貿易自由化交渉を基軸とすべきFTA戦略
      WTOで共闘する韓国との共通農業政策の模索
      適正体重維持へ食事量管理を


     
読み切り
 
概  説 「日本・メキシコ経済連携協定大筋合意」
 
   「豚肉 関税半減、輸入枠8万dに拡大」
       週刊農林編集部
 
      鉱工業製品の調整難が10月決裂の原因だ
      セーフガード導入、迂回防止に原産地規則
 
     読み切り
 
 

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