2003年5月25日号
 

  

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農林抄 (論説/水産白書の論評)
 
   「水産白書『水産庁白書』からの脱皮に期待」
       21世紀の水産を考える会代表理事 河井智康
 
 「平成14年度 水産の動向に関する年次白書」が出された。2001年6月に制定された水産基本法は、水産業が「水産物の安定供給」という全国民的使命を持った産業であることを表明したが、それに基づく2回目の「水産白書」である。従前の「漁業白書」からの脱皮のための努力があったことは認められる。とりわけ今回は、その特集として「水産の安全、安心を求めて」と題する国民的関心事に焦点を充てている。・・・



特 集 「概説・2002年度『水産白書』」 水産政策
 
   「水産資源の持続的利用を提言」  
       週刊農林編集部
 
     <4ポイント解説>

      水産物の安全・安心を求めて
      安全性確保への取組み
      消費者不安解消に積極的な情報提供を
      「指導が徹底していない」と記述すべき
      付表1・水産物に含まれる成分と機能
      付表2・13年度に養殖水産動物用配合飼料に使用された主な飼料原料
      付表3・魚介類の名称のガイドライン
 
     読み切り
 
解説&論評 「農協系統経済・営農事業改革の行方」<3>  農協改革
 
   「生活店舗のマーケティング強化を」
      〜研究会報告、JA全国大会組織協議案、全農3カ年計画から〜
       週刊農林編集部
 
      生活関連事業の改革
      営農・経済事業改革の実践
 
 農協系統の「生活購買事業」では、依然として六割の生活店舗、ガソリンスタンド(SS)が赤字という状況で、生活店舗等のサンプル調査では99年時点の一組合当たりの純損益はマイナス五千二百万円にも上る。AコープやSSなどは近隣に競合店が出現すると非常にもろい。こうした「競合店の出現」を赤字の理由にするケースが多いが、真の原因はマーケティング戦略の脆弱性にある。また、店舗経営の責任体制の曖昧さが、マーケティング力を一層低下させている。農協系統の改革案では赤字店舗の統廃合、不採算部門の撤退を打ち出しているが、経営不振の原因を「競合店」に一方的に押しつける責任逃れはやめ、経営不振の原因を総ざらいに分析・点検し、徹底的なリサーチに基づく一般企業に対抗できるマーケティング戦略を策定すべきである。実践に即したマーケティング戦略を構築するためにも、現場に運営権と経営責任を付与する必要がある。
 
     最終回
 

農林水産トップニュース

 
 総 合
    環境農業政策の世紀<2> 兵庫県市島町が日本初の環境保全型直接支払を導入
 食品・安全
    ユニクロの孫会社エルファールフーズが東京・銀座の松屋銀座に健康野菜「SKIPブランド」の常設店設置(5/14)
 米麦・水田
    農水省が米政策改革の都道府県の提案・要望をまとめる。有機稲作拡大へ直接支払の声大きい
 
園芸・果樹
    農水省が2002年度の女性起業調査。起業数が408増の7735件。IT活用は2割にとどまる(5/13)
 畜 産
    農林物資規格調査会が有機畜産物JAS規格を検討。有機飼料に輸入飼料の使用を認める意向
 金融・農協
    全農協労連が第23回JA全国大会組織協議案は「農家切り捨て」だと批判、独自の改革案を発表
 構造・農村
    内閣府構造改革推進室が構造改革特区の第1弾として129件中57件を認定。農水関係は11件が認定(4/21)
 
林 野
    林野庁の懇談会が林業普及指導事業の普及指導区の設定義務廃止、SP・AGの一元化等を提言(4/25)
 
水 産
    水産庁の懇談会が水産普及事業について鮮度向上の技術指導に重点化するよう提言する方針まとめる(5/13)