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焦 点 日本への相互関税15%で合意
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石破首相は7月23日、米国政府と相互関税を15%とすることで合意したと発表した。トランプ米大統領は8月1日から日本からの輸入品に25%の関税を課すことを通告していた。今回の合意で、交渉開始前の関税率が15%未満の品目は15%まで引き上げられる。一方、牛肉など交渉開始前に15%を超えていた品目は、その関税率が適用される。トランプ米大統領は「日本は特定の農産物を含む貿易を開放することで合意した」と述べた。その一つが米国産米の輸入増加であるが、石破首相はMA米の枠内≠ナ米国産米の調達割合を増加させるものであり、「今回の合意について、農業を犠牲にするというようなことは一切含まれていない」と強調した。 |
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農林抄(論説) 著者リスト
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ASIAGAP終了とJGAP一本化〈3〉 |
一般社団法人日本GAP協会 |
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ASIAGAPの新規・更新審査の受付は本年(2025年)12月末までの申し込みをもって終了とします(審査は2026年3月末までの実施となります)。なお、2028年のASIAGAP終了時点までASIAGAPの認証を保持したい場合は、2025年12月末までにASIAGAPの更新審査をお申し込み下さい(有効期限にかかわらず前倒しで審査を受けて頂くことが可能です)。・・・続きは本誌で |
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おわり |
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特集 協同農業普及事業の強化と期待〈1〉 (季刊特集/著者リスト)
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協同農業普及事業の新たな展開〈1〉 |
農林水産省農産局技術普及課 |
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協同農業普及事業について
協同農業普及事業の運営に関する指針について
農業をめぐる情勢
新たな運営指針について
つづく |
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真価を問われる普及指導員制度とその課題〈1〉 |
公益財団法人日本農業研究所研究員 岩元明久 |
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はじめに
米国のCooperative
extension work
普及指導員はagent
つづく |
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協同農業普及事業の課題と役割〈1〉 |
―縮小する事業体制と外部連携の必要性― |
農林中金総合研究所特別理事研究員 内田多喜生 |
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協同農業普及事業の概要
普及事業と農協の営農指導事業
ピークに比べ縮小した普及事業体制
外部組織との連携が課題に
食料システム関係者との連携が重要に
つづく |
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農水省が渇水・高温対策を決定
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渇水時の農業用水対策を支援 |
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プッシュ型で現場に働きかけ
斑点米カメムシ類対策も強化
水利施設管理強化事業〈公共〉 |
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農林水産トップニュース
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〔経営・構造〕 日米関税協議が日本の相互関税15%で合意、MA米の米国産比率高める
〔畜 産〕 2月1日現在の北海道の酪農家が5000戸割れ、肉用牛農家は全国で7%減
〔米麦・食品〕 農水省が「農山漁村」インパクト創出ソリューションに取組む11社を選定
〔畑作・果樹〕 農水省検討会が優良品種の管理・活用で中間報告と指針案とりまとめ
〔林 野〕 林野庁のスマート林業取組み調査で資源管理・生産計画が普及先行
〔水 産〕 WCPFC北小委員会らが太平洋クロマグロの新管理方式を合意できず |
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編集室 夏季特集にあたり
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普及指導員は、開発された技術や優れた営農技術を農業者に伝える農業者と研究者をつなぐエージェントとして重要な役割を果たし、我が国農業の発展に大きく貢献してきました。農林水産省は、農業改良助長法令に基づき、おおむね5年ごとに定める「協同農業普及事業の運営に関する指針」を4月30日付で改訂いたしました。都道府県職員の志望者数が減少傾向にあることも踏まえ、若手職員の確保と併せ、退職者の活用を引き続き推進するとともに、指導する技術情報に加え、経験の少ない普及指導員の資質向上や早期育成のための対策が盛り込まれました。農業経営の大規模化や法人化の進展等を踏まえた経営指導にかかる資質をスキルアップし、意欲や資質の高い若い普及指導員の確保・育成する方針です。また、地域農業の情報や普及活動で得られた指導ノウハウ等についてICTの利用等を通じて効率的・効果的に継承・活用する考えが示されました。
しかし一方で、我が国の基幹的農業従事者数は2000年からの約四半世紀で半減するとともに、高齢齢化も進展しております。また、法人経営体数は年々増加しており、「法人その他団体経営体」のシェアは、経営体数では全体の約4%でありますが、経営耕地面積では約4分の1、農産物販売金額では約4割まで拡大しております。今後、農業従事者数が大幅に減少することが見込まれ、普及対象となる経営体の大型化・法人化の進展が予想されます。加えて、温室効果ガスの抑制や気候変動や生物多様性への影響への対応など、普及指導員が担う役割として環境負荷を低減する産業構造への転換という新たな使命が課せられています。今後、基幹的農業従事者の減少をカバーするため、スマート農業技術が大きく注目されておりますが、普及指導員においてもスマート農業技術に適合した栽培方法の見直し等の新たな生産方式の導入や、スマート農業技術の活用を促進するサービス事業体の活用等をより一層推進するなど、農業者と伴走支援できる一層のスキルアップが必要になります。「農業普及事業の運営に関する指針」では、地域計画の実現等に向けた合意形成支援のコーディネーターの取組みや、産地のプロデュース機能の発揮を新たな役割を期待しております。
普及指導員の問題として、実務経験中の職員を含む普及職員数は近年は横ばいで推移しております。年齢構成も50代以上層が約半数を占め、実務経験中の若手の職員と再任用職員が年々増加しています。都道府県では、多くの職場を経験させるジョブローテーションを採用しており、若手普及指導員の人事異動サイクルは3年以下が約8割を占めています。このため、若手職員も業務に追われて現場に行けない状況や、ベテラン農業者の信用を得るのに時間と労力を費やす等の課題も浮き彫りになっています。経験のある普及指導員と組ませようにも中間層の指導員が非常に手薄となっているため、配属が非常に難しくなっている地域も少なくありません。
地域農業の発展に向けた農業者と研究者とをつなぐエージェントとしての役割から、地域の多様な担い手がやりがいを持って農業生産に取組める地域づくりをプロデュースするなど、普及指導員に課せられる役割は大きく膨らんでおります。そこで、弊社では25年夏季特集として「普及指導員制度の強化と期待」を企画いたしました。
農業経営環境の変化のスピードは益々高まっており、スマート農業の導入やみどり戦略の実現など普及指導員にかかる期待は非常に大きくなっております。今特集を通じまして、持続可能な農業農村づくり、ゆるぎのない食料安全保障の確立への一助となればと思っております。 |
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