〔週刊農林25年7月25日号〕食料・農業・農村基本計画の論評9、森林・林業白書



2025年7月25日号
 


 

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 焦 点 海水からカリウム資源を生産
 
 産業技術総合研究所は、海水から国産肥料原料であるカリウムを回収する技術を開発した。海水には多くのカリウムが含まれているものの、濃度が約0・04%と低いために、これまで有効利用できていなかった。そこで、プルシアンブルー型錯体を薄く塗布した電極を電気化学的に制御して、海水からカリウムイオンを選択的に吸着・脱離する技術を開発した。模擬海水から吸着・脱離を3回行うことで、海水のナトリウムイオンを99%以上排除し、カリウムイオンを10倍以上濃縮した水溶液を得ることに成功した。カリウムイオン水溶液の濃度をさらに高めることで、農作物の生育に必要なカリウム資源を国内で安定的に生産できると期待する。
 
 農林抄(論説)    著者リスト
 
   ASIAGAP終了とJGAP一本化〈2〉
       一般社団法人日本GAP協会
 
 
 GFSI承認を得た農産物の認証を限定的に求めている食品事業者は、日本国内ではいないことに加え世界でも少なく、GFSIの承認が今後も農業の国際規格の主流とはなり得ないと日本GAP協会は判断しました。GFSIは食品安全のみを対象としていますが、昨今の世界の潮流は「農業の持続可能性」への対応で、例えばSAIPlatformが重視する環境や人権の要素を含むものが主流であり、農業においては国ごと作物ごとに多種多様な認証制度が運用されています。・・・続きは本誌で
 
 特集 食料・農業・農村基本計画を論評する〈9〉   (季刊特集著者リスト
 
   食料・農業・農村基本計画への私見〈4〉
       食政策センター・ビジョン21主宰 安田節子
 
      農家の手作り漬物とHACCP
      フードテックを推進
      日本はゲノム編集食品の輸出先市場

     
おわり
 
 2024年度「森林・林業白書」
 
   生物多様性を高める林業経営
 
    〔4POINT解説〕
      世界が生物多様性に取組む
      生物多様性の4つの危機
      生物多様性を高める管理手法
      生物多様性通じ新たな収益
 
 米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針
 
   「米粉用米」が新用途の主役に
 
      「飼料用米」記述が削除・変更
      25年産飼料用米作付が半減
      米粉需給ギャップをどう埋めるか
      ングルテンへの取組みを強化
 
 財務省予算執行調査「小麦・大豆生産の実態」
 
   水活に「生産性要件」設定求める
 
      交付金は生産性向上つながらず
      水活・ゲタは不合理な制度
 
 里地里山ビッグデータを解析
 
   人口減少で生物多様性が損失
 
      リワイルディング仮説を否定
      人口減少地域での開発も注意
 
 農林水産トップニュース
 
 〔経営・構造〕 日本産牛肉の中国向け輸出再開の前提となる日中動物衛生検疫協定が発効

 〔畜 産〕 農水省疫学調査チームが高病原鳥インフル対策で家きん舎への塵埃侵入を防ぐ

 〔米麦・食品〕 全農がKDDIらと自律飛行型ドローンの活用で基本合意書を締結
          2025年産水田における作付意向(6月末時点)

 〔畑作・果樹〕 国交省が27年から農耕用トラクタのベルト備え付けを義務化

 〔林 野〕 政府が建築物のライフサイクルカーボン削減へ新制度を2028年度に開始

 〔水 産〕 財務省が漁業構造改革総合対策で実証期間終了後もフォローアップを求める