〔週刊農林24年7月15日号〕食料・農業・農村基本法改正を論評する9、森林・林業白書



2024年7月15日号
 


 

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 焦 点 農業分野の二国間クレジットが始動
 
 
 農林水産省は6月28日、アジア開発銀行と協力して、二国間クレジット制度(JCM)を活用し、フィリピンとの間で、水管理による水田メタン削減の方法論案を合意し、公表した。この方法論は、国際稲研究所(IRRI)が東南アジアの灌漑水田において節水を目的として開発し普及させた「間断灌漑技術(AWD)」を活用して水田メタンを削減するもので、パリ協定6条2項に基づいており、プロジェクトが進みクレジットが発行されれば世界初となる。AWDは、灌漑水田で湛水と落水を繰り返すことにより、水稲の増収とメタン削減効果がある。国際農研の研究で、水田からのメタン排出を38%削減することが明らかになっている。
 
 農林抄(論説)    著者リスト
 
   農業用車両の盗難実態と被害車両の特徴〈2〉
       宇都宮大学農学部農業環境工学科教授 田村孝浩
 
 
 前号では、栃木県下で発生した農業機械の盗難被害の実態について触れた。では一体どのような農業機械が、どのような場所から盗まれているのだろうか。前者について調べたところ乗用トラクタが被害件数と被害額の8〜9割を占めていた。とくにホイール仕様のものは格好のターゲットになっている可能性が浮き彫りになった。・・・続きは本誌で
 
 特集 食料・農業・農村基本法改正を論評する〈9〉   (季刊特集著者リスト
 
   改正食料・農業・農村基本法をどうとらえるか〈3〉
      ―狭義と広義の間で揺れる農村政策―
       摂南大学客員教授・北海道大学名誉教授 柳村俊介
 
      農村政策の登場
      狭義の農村政策の展開
      近年における農村政策の見直し
      揺れる基本法改正案
      農業構造改革のジレンマと農村政策

     
おわり
 
   人新世の開発原論・農学原論の視点から改正基本法を考える〈3〉
      ―人新世の開発原論・農学原論からの提言―
       龍谷大学経済学部教授 西川芳昭
 
      基本法を思想的側面から議論する
      農業における内発的発展を実現
      基本法に農業の未来を問う
      一時代前の古い開発論から抜け出す

     
おわり
 
 〔解説〕 2023年度「森林・林業白書」
 
   新たな森林づくりのタイミング
 
     〔5POINT解説〕
      花粉症を予防する有効策
      スギ人工林はなぜ増えたか
      花粉症を解決する道筋
      花粉症対策への現場の不安
      花粉症対策を成長につなげる
 
 ため池の防災・減災対策を検証する
 
   指定すべきため池が漏れていないか
 
      総務省が初のため池の防災調査
      防災重点指定の検討が不十分
      ため池周辺情報の報告の在り方
      ため池決壊の危険性の3評価
      浸水で使用できない避難所を表示
 
 地方創生10年の取組みと今後の推進方向〈2〉
 
   取組実績を具体的に捉える
 
      地域活性化につながる人材確保
      企業への働き掛けも成果あがる

     
つづく
 
 農林水産トップニュース
 
 〔経営・構造〕 農水省がまとめた2月1日現在の農業経営体数が5%減の88万3300経営体

 〔畜 産〕 家畜改良事業団によると23年の乳用牛305日乳量が1・9%減と6年ぶり減少

 〔米麦・食品〕 24年産政府備蓄米買入れが2年連続未達、主食用米の需給ひっ迫で先高観

 〔畑作・果樹〕 スマート農業技術活用促進法が10月1日に施行、全国8ブロックで説明会

 〔林 野〕 九州大学らの研究で天然林においてシカの増加が森林の炭素貯留機能を半減

 〔水 産〕 水産庁の分析で新たな養殖種増加で海外からの疾病の侵入リスク高まる