〔週刊農林24年5月25日号〕食料・農業・農村基本法改正の論評4、23年夏に効果のあった水稲適応策



2024年5月25日号
 


 

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 焦 点 適正な価格形成の速やかな法制化を
 
 
 全国農業協同組合中央会と全国農業者農政運動組織連盟は5月10日、食料・農業・地域政策推進全国大会を開き、食料安全保障の確保に向けた施策の具体化、とくに適正な価格形成の実現に向けて速やかな法制化を求めた。大会に出席した森山裕・自民党総務会長は「次期基本計画を実施する際、法律に基づく制度が動き出すべき」との見解を示した。政府は、改正基本法に基づく基本計画を来年3月頃に閣議決定する方針であり、これに併せてということになる。一方、坂本農相は14日の閣議後会見で、「まずは関係者間の合意形成が重要で、終期を決めて議論しているわけではない」と法律案の提出時期は決まっていないことを強調した。
 
 農林抄(論説)    著者リスト
 
   食料・農業・農村基本法に対する提言
       全国有機農業推進協議会
 
 
 「食料・農業・農村基本法」の改正は国内の農畜産業を守り、食料自給率向上に向けて大きな機会となると考えます。しかしながら食料・農業・農村基本法改正案では、スマート農業の推進や農林水産業のグリーン化・輸出強化・食料安全保障の強化がうたわれていますが、これでは根本的な解決にはなりません。・・・続きは本誌で
 
 特集 食料・農業・農村基本法改正を論評する〈4〉   (季刊特集著者リスト
 
   改正食料・農業・農村基本法をどうとらえるか〈1〉
     ―キーワードとしての食料安全保障と食料システム─
       摂南大学客員教授・北海道大学名誉教授 柳村俊介
 
      衆院を通過した基本法改正案
      経済安全保障の一環としての食料安全保障
      国民一人一人の食料安全保障
      食料システムの確立と食料自給率目標について

     
つづく
 
   食料・農業・農村基本法改正の成果を高く評価する〈1〉
     ―安保理機能拡充時代の基本法から安保理機能不全時代の基本法へ─
       宇都宮大学農学部農業経済学科助教 小川真如
 
      法改正をあえて高く評価する
      初の基本法改正
      法改正の主眼は国連安保理の機能不全への対応
      法改正で独自の位置を占めた「食料安全保障の確保」
      法改正の起点は2022年2月24日

     
つづく
 
 23年夏に効果のあった水稲の温暖化適応策〈1〉
 
   高温耐性品種作付が着実に増加
 
      耐性品種1等米比率が県平均上回る
      作付上位品種が減少傾向
      23年産米1等米比率一覧表(12月30日現在)

     
つづく
 
 生鮮食料品等の取引適正化に向けたガイドライン
 
   独占禁止法上の問題取引を是正
 
      小売と仲卸の間に交渉力の差
      取引の法令違反を未然に防止
      ガイドラインを読み込む
      問題となりえる事例と望ましい実例(一部)
 
 水田を科学する〈1〉
 
   水田が有する多面的機能の新知見
 
      大気中CO2増加で気温上昇緩和機能が低下
      洪水を防ぐ水田の適正配置

     
つづく
 
 J―クレジット制度方法論を改定
 
   中干し延長の管理記録を規定
 
      中干しの期間の定義をより具体化
      GHG削減2飼料の算定を整合
 
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