〔週刊農林24年5月15日号〕食料・農業・農村基本法改正の論評3、合理的価格形成に向けた課題



2024年5月15日号
 


 

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 焦 点 政府が基金事業を総点検
 
 
 政府は200基金事業(152基金)を点検した結果、支出が管理費のみの事業のうち事業が終了している11事業を廃止することを決定した。点検・見直しによる国庫返納額は総額5466億円に上る。農林水産省の所管では「地域還元型再生可能エネルギーモデル早期確立基金」が廃止の対象となった。また、当面必要とされる資金を上回る使用見込みのない資金を有すると見做された15事業は、使用見込みのない部分について速やかに国庫返納する。今後、基金事業は原則として10年以内の終了予定時期を設定することとなるが、TPP関連対策の4基金及び畜産関連3基金は、TPP等の合意の受け入れの経緯等も考慮し、終了期間を設定しない。
 
 農林抄(論説)    著者リスト
 
   農政トライアングルを壊そう〈5〉
       キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 山下一仁
 
 
 医療のように、財政負担が行われれば、国民は安く財やサービスの提供を受ける。しかし、主食である米はさらに異常である。50年続き水田の4割に及ぶ減反は、補助金(納税者負担)を出して米価を上げ消費者の家計を苦しめる。しかも、このせいで輸入途絶後半年で国民全てが餓死する。・・・続きは本誌で
 
 特集 食料・農業・農村基本法改正を論評する〈3〉   (季刊特集著者リスト
 
   食料・農業・農村基本法の改定は食料・農業・農村を救うか〈1〉
       東京大学大学院農学生命科学研究科教授 鈴木宣弘
 
      はじめに
      今何が求められているのか
      自給率の意味が理解されているか
      今の政策が十分ならなぜ農村現場が苦しんでいるのか
      有事立法だけ強化〜国内生産強化でなく海外生産投資?
      多様な農業経営体の位置づけ

     
つづく
 
   基本法改正の評価と展望〈3〉
     ―基本理念のリバランス案―
       東京大学大学院農学生命科学研究科教授 安藤光義
 
      上からの技術革新の推進―農業の産業化―
      下からの対抗軸構築の可能性
      基本理念のアンバランスを施策レベルでリバランスを図る

     
おわり
 
   改正基本法で本当に日本農業を守れるか〈2〉
     ―農泊は農村を救えるか―
       CRC合同会社(地域再生診療所)代表 井上弘司
 
      日本に馴染む総兼業化
      再びの農村リゾートは農村を壊す
      教育と福祉が農村で連携する
      暮らしを「おすそわけ」する
      食と文化を捨て去る農村に未来はない
      農村に人を呼ぶパワー人財が必要

     
つづく
 
 食料・農業・農村基本法改正案が衆院通過
 
   政府に実現求める12項目の付帯決議
 
      多収性品種の導入・促進を追記
      立民、共産党は所得補償を要求
      自給率目標の位置づけ曖昧なまま
      付帯決議(全文)
 
 合理的価格形成に向けた今後の対応
 
   価格転嫁の仕組みの法制化は可能か
 
      関係者間の合意形成が膠着
      改正基本法に盛り込んだが…
      各段階が抱える取引の実情
      消費減退とのジレンマ
      一般論にむやみに広がらないよう
 
 人口戦略会議
 
   4割超の自治体が消滅の可能性
 
      楽観視できる状況にはない
      地域ごとの状況は大きく異なる
 
 農林水産トップニュース
 
 〔経営・構造〕 事業者の生物多様性活動を認定する生物多様性増進活動法が成立

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