〔週刊農林24年1月25日号〕2024年度農林水産予算



2024年1月25日号
 


 

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 焦 点 キャビア効率生産の第一歩
 
 宮崎県水産試験場と近畿大学らの研究グループは、ロシアチョウザメでメスのみが生まれる「超メス」稚魚の生産に成功した。チョウザメの性を決定する染色体は、オスはZ染色体(ZZ)のみを持ち、メスはZ及びW染色体(ZW)を持つ。そこで、メスが有するZ及びW染色体のDNA配列を検出するPCR検査法を開発し、雌性発生させたロシアチョウザメの中にW染色体だけを持つ「超メス」(WW)が存在することを発見した。ロシアチョウザメは外見では雌雄の区別つかないため、養殖では生殖腺が発達するまで数年間はオスも飼育しなければならないが、超メスの卵からはメスのみが生まれるため、効率的なキャビア生産が期待できる。
 
 農林抄(論説)    著者リスト
 
   天然水循環を機軸に縦割りから包括思考へ〈3〉
       生態系総合研究所代表理事 小松正之
 
 
 科学予算への優先配分と土地利用におけるNBS(Nature-based Solutions)の予算化と導入をも強調した。11月28日訪問した豪キャンベラ郊外の農場でも天然水循環を改善したNBSが取り入れられていた。NBSは、農業の過剰肥料/農薬削減、湿地帯・流水路による水質浄化、生きた海岸造成とダム・堰撤去による生物増大・水質向上に効果があり二酸化炭素とメタンガス吸収に貢献する。・・・続きは本誌で
 
 解説 2024年度農林水産予算   (季刊特集著者リスト
 
   農林水産予算が4年ぶり増加
 
      能登半島地震を受け予算を修正
      畑地化促進助成が9割削減
      補正で先食い、本予算は削減
      大規模輸出産地モデルを形成
      林野関係予算は2年ぶり減少
      水産関係予算は2年連続減少
 
   農林水産関係予算のPOINT
 
 農林水産関係予算の主な事業〈1〉
 
 
〔食料安定供給に向けた構造転換〕
水田活用の直接支払交付金等/コメ新市場開拓等促進事業/水田農業の高収益化の推進〈一部公共〉/小麦・大豆の国産化の推進/加工・業務用野菜の国産シェア奪還

〔農業の生産基盤の強化〕
果樹の生産増大への転換/花き支援対策/茶・薬用作物等支援対策/GAP拡大の推進/農作業安全総合対策推進/強い農業づくり総合支援交付金/米穀周年供給・需要拡大支援事業/甘味資源作物生産支援対策/協同農業普及事業交付金

〔畜産・酪農の生産基盤強化〕
畜産生産力・生産体制強化対策事業/ICTを活用した畜産経営体の生産性の向上対策/環境負荷軽減に向けた持続的生産支援対策/家畜・食肉等の流通体制の強化/養蜂等振興強化推進

〔生産資材の確保〕
野菜種子安定供給対策事業/国内肥料資源利用拡大対策事業等/飼料増産・安定供給対策/草地関連基盤整備〈公共〉

〔農産物・食品の輸出の促進〕
グローバル産地づくり推進事業/食品産業の輸出向けHACCP対応施設整備事業等/輸出環境整備推進事業/輸出支援プラットフォーム推進事業/食産業の戦略的海外展開支援事業/マーケットイン輸出ビジネス拡大支援事業/農業知的財産保護・活用支援事業/育成者権管理機関支援事業/植物品種等海外流出防止総合対策・推進事業/地理的表示保護・活用総合推進事業/適正な価格形成と国民の理解

〔円滑な食品アクセスの確保〕
物流革新に向けた食品等流通総合対策/食品アクセスの確保/食育の推進と食文化の保護・継承

〔食品産業の持続的な発展〕
持続可能な食品産業への転換/新事業創出・食品産業課題解決に向けた支援/食品流通拠点整備の推進
 
     つづく
 
 令和6年能登半島地震の対策(1月17日時点)
 
   政府が激甚災害指定を閣議決定
 
      激甚災害による適用措置
      大規模災害時の災害査定の効率化
      農林水産関係対策・措置
      関係団体等への要請