〔週刊農林23年12月5日号〕農業マーケティングの新機軸〈11〉、加工・業務用野菜における国産切換えの可能性



2023年12月5日号
 


 

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 焦 点 畜舎に漂うウイルスを見える化
 
産総研と茨城県らは、空気中に漂う希薄なウイルスを検出し、「伝播リスクの見える化」に成功した。従来は、感染症罹患が疑われる家畜集団の数頭から体液を採取し、病原体検査を行う。このため、周囲に感染が広がるまで感染拡大が察知できない。今回成功した伝播リスクの見える化は、空気中を漂うエアロゾルの高効率な捕集と、病原ウイルスの核酸の高感度な検出法(PTAS法)を組み合わせたもので、検出を妨害する塵埃や動物の代謝物などを含むサンプルからも病原ウイルスを検出できる。畜舎内外で空間を漂うウイルスの濃度・空間分布が推定でき、対象ウイルスの空気感染や飛沫感染による隣接畜舎への伝播リスクが評価できる。
 
 農林抄(論説)    著者リスト
 
   基本法に種子(たね)の権利と責務の明記を〈2〉
       元國學院大學経済学部教授 久保田裕子
 
 
 種子(たね)は単なる生産資材ではなく、生命あるものであり、農業の根本にある。農家の種子採りは農業の要(かなめ)にあり、種子播きが作物栽培の起点だとすると、自家採種による種子採りは終点、その種子は次期作の起点へとつながる。四季のある日本列島では、作物栽培は四季のめぐりと共に進み、種子採りが推進力となって毎年循環している。こうした種子を要とした農の営みは、「当たり前」なので、これまでことさら農民の権利、種子の権利として認識されたり、政治的主張がなされることは少なかった。・・・続きは本誌で
 
 特集 農業マーケティングの新機軸〈11〉   (季刊特集著者リスト
 
   農業マーケティングとしてのCSA〈1〉
      ―農業問題と現在の農業マーケティング―
       奈良県立大学地域創造学部准教授 村瀬博昭
 
      農業問題であるマーケティング
      台頭する産直EC
      産直EC市場拡大の背景
      消費者教育の重要性
      CSAへの期待

     
つづく
 
   今日の農業分野の課題とマーケティングが果たす役割〈3〉
       東京農業大学国際食料情報学部准教授 半杭真一
 
      消費者行動研究と感覚マーケティング
      機能性の表示を効果的に行うために

     
おわり
 
  財政審「24年度予算の編成等に関する建議」
 
   収入保険への一元化求める
 
      「制度の持続可能性」とは
      基本法見直しが予算抑制の契機
      補償に掛かる財政支出額が増加
      セーフティネットが過剰生産の呼び水に!?
      収入保険は保険方式に移行を
      法人経営体の育成を優先
 
  加工・業務用野菜における国産切換えの可能性
 
   加工・業務用に特化した産地づくり
 
      中国偏重に打ち勝つためには
      加工・業務輸入野菜の功罪
      国産野菜に切換えへの課題
      漬物市場は今後も有望
 
  農林水産予算概算要求の主な事業〈8〉
 
 
〔新たな花粉症対策とグリーン成長〕
林業の担い手の育成・確保/「新しい林業」の経営モデル/山村の活性化

〔水産資源管理と水産業の成長産業化〕
水産資源調査・評価推進事業等/新たな資源管理システム構築促進事業/漁業経営安定対策/外国漁船対策/水産業成長産業化沿岸地域創出事業/先端的養殖モデル等への重点支援事業/内水面及びさけ・ます等栽培対象資源対策事業等
 
     つづく
 
 農林水産トップニュース
 
 〔経営・構造〕 行政事業レビューが産地パワーアップと担い手経営発展支援2基金の終了期限求める

 〔畜 産〕 佐賀、茨城の家きん農場で高病原性鳥インフルを今季初確認

 〔米麦・食品〕 農水省が24年産酒造好適米の需要量を回復傾向と予測

 〔畑作・果樹〕 農水省が化学肥料低減定着対策事業の運用見直し一括応募が可能に

 〔林 野〕 世界気象機関が22年の温室効果ガス濃度が観測史上最高と発表

 〔水 産〕 水産庁が24年度以降のクロマグロ管理で漁獲割当の均等割削減案を撤回