|
焦 点 宮下一郎新農相が就任
|
|
岸田第2次改造内閣が9月13日に発足した。農林水産大臣には、宮下一郎・自民党衆議院議員が就任した。財務副大臣や内閣府副大臣を歴任し、2020年には自民党・農林部会長に就任するなど、基本法改正が控える中、農政通として手腕発揮が期待される。就任会見では、人口減少と生産者の高齢化等の構造変化に強い危機感を示した上で、将来にわたって持続可能な食料供給基盤の構築に尽力する姿勢を示した。なかでも、適正な価格形成に向けた仕組みづくりには意欲を見せる。他方、中国の日本産水産物全面禁止に対して、科学的根拠に基づかない輸入規制に負けず、我が国の水産業が安定して継続できるよう全力を上げることを強調した。 |
|
|
|
農林抄(論説)
|
|
中間とりまとめの批判的検討〈5〉 |
東京大学大学院農学生命科学研究科教授 安藤光義 |
|
|
食料安全保障体制の整備 基本法検証部会の「中間とりまとめ」は食料安定供給・農林水産業基盤強化本部の「食料・農業・農村政策の新たな展開方向」によって修正が図られ、食料安全保障に関しては、平時から評価する仕組みと不測時の体制の構築が明示された。後者が農林水産省の大臣官房政策課食料安全保障室の拡充となるのか、首相直轄の組織の内閣官房内の設置となるのか、気になるところである。・・・続きは本誌で |
|
|
|
解説 2024年度
農林水産概算要求
|
|
農林水産予算20%増の2兆7209億円 |
|
新たな展開方向を予算化
畑地化等の対応は事項要求に
食料安全保障確立へ国産化推進
国産チーズの生産拡大を支援
夢を持って取組める環境
技術関係予算の大幅増額目立つ
林業、花粉政策を一本化
漁業スマート化を積極推進 |
|
農林水産関係予算のPOINT |
|
農林水産関係予算の主な事業〈1〉
|
|
|
〔食料の安定供給の確保〕
水田活用の直接支払交付金等/水田農業の高収益化の推進〈一部公共〉/国産小麦・大豆供給力強化総合対策/米粉の利用拡大支援対策事業/加工・業務用野菜の国産シェア奪還/果樹の生産増大への転換/花き支援対策/茶・薬用作物等支援対策/GAP拡大の推進/強い農業づくり総合支援交付金/米穀周年供給・需要拡大支援事業/持続的畑作生産体系確立事業/甘味資源作物生産支援対策/農作業安全の推進/協同農業普及事業交付金
〔畜産・酪農の生産基盤の強化〕
畜産生産力・生産体制強化対策事業のうち家畜改良の推進等/環境負荷軽減に向けた持続的生産支援対策/家畜・食肉等の流通体制の強化/養蜂等振興強化推進/国産チーズの競争力向上・生産拡大による生乳需給改善対策/鳥インフルエンザ等に対応した農場の分割管理の導入支援
〔生産資材の確保・安定供給〕
投資可能性調査支援事業/野菜種子安定供給対策事業国内肥料資源利用拡大対策/国産飼料増産対策事業/草地関連基盤整備〈公共〉/飼料穀物備蓄・流通合理化事業
〔農産物・食品の輸出の促進〕
グローバル産地づくり推進事業/食産業の戦略的海外展開支援事業/輸出支援体制の確立強化事業/マーケットイン輸出ビジネス拡大支援事業/輸出環境整備推進事業/食品産業の輸出向けHACCP対応施設整備事業/育成者権管理機関支援事業/農業知的財産保護・活用支援事業/植物品種等海外流出防止総合対策・推進事業/地理的表示保護・活用総合推進事業
〔適正な価格形成・食品産業の持続的発展〕
適正な価格形成/持続可能な食品流通総合対策事業/食品アクセスの確保/国民理解の醸成/食育推進と食文化の保護・継承/持続可能な食品産業への転換に向けた支援/新事業創出・食品産業課題解決に向けた支援 |
|
|
|
|
つづく |