〔週刊農林23年8月25日号〕農業マーケティングの新機軸〈2〉、食育白書



2023年8月25日号
 


 

数量:

 
 焦 点 今年もサンマは低水準
 
 水産研究・教育機構は、今年度(23年8〜12月)の道東から常磐海域におけるサンマの漁況を「低水準(昨年と同水準)」と予測した。サンマは年々漁獲量が減り、さらに魚体も小さくなっている。我が国におけるサンマの漁獲量の減少は2010年に突然起きた分布の沖合化が契機と言われ、公海まで遠出しなければならないため漁船コストもかさむ。毎年この時期の漁況予測に一縷の望みをかけるが、今漁期も来遊量は昨年と同水準の「低水準」にとどまる。ただ、漁獲物に占める1歳魚の割合は昨年を上回り、体重も110〜120g台と昨年(100〜110g台)より大きい。10月以降も、三陸海域を含む日本近海への来遊は見込めないという。
 
 農林抄(論説)    著者リスト
 
   中間とりまとめの批判的検討〈2〉
       東京大学大学院農学生命科学研究科教授 安藤光義
 
 
  突出した食料政策分野 基本法検証部会の中間とりまとめでは4つの基本理念を提起したが、それを集約した最初の「概要」をみると、「国民1人1人の食料安全保障の確立」は@からCの項目が記されているのに対し、それ以外の3つについては3〜4行の文章にとどまり、全体としてバランスが取れていない。食料安全保障がキーワードなので仕方がないのかもしれないが、食料政策の分野が不釣り合いなほどに突出しているという印象が強い。・・・続きは本誌で
     つづく
 
 特集 農業マーケティングの新機軸〈2〉   (季刊特集著者リスト
 
   マーケティング的発想の大切さ
       静岡県立大学経営情報学部教授 岩崎邦彦
 
      高品質なモノは、たくさんある
      消費者は「たべるモノ」でなく「たべるコト」を買う
      「たべるモノ」の日が普及しない理由
      「食べてください」ではなく「食べたい」
      消費者と同じ方向をみて、一歩先を行く
      「おいしさ」を決めるのは消費者である
      人は、舌だけで味わっているのではない
      前に踏み出そう

     
つづく
 
   地域連携を通じた農産物のブランド戦略〈1〉
       岡山大学大学院環境生命自然科学学域(農)准教授 大仲克俊
 
      農業参入企業によるサツマイモ生産・加工による経営展開とブランド化の取組み
      事業協同組合と合同会社設立を通じた原料調達・商品ライナップの拡充・広報の強化
      Uプロジェクトの成果と地元企業と連携したブランド化の取組みの評価

     
つづく
 
  2022年度 食育白書
 
   デジタル化に対応した食育
 
      若い世代の食生活変化に注目
      食育デジタルの活用は2割
      すぐれた食育アプリが開発
      食育普及戦略の練り直しを
 
  食料・農業・農村政策の新たな展開方向〈5〉
 
   新基本法は財源削減ありきか
 
      政府備蓄米制度の枠組み見直す
      色褪せない現行基本法の理念
      ちらつく財務省の影
      需要減退の中で備蓄水準は適正か

     
つづく
 
  国際基準のアニマルウェルフェア〈1〉
 
   飼養管理技術指針を決定
 
      家畜に与えられた5つの自由
      乳用牛の飼養管理指針

     
つづく
 
 農林水産トップニュース
 
 〔経営・構造〕 農研機構が営農活動の経済波及効果と環境影響を同時評価できるWebツールを開発

 〔畜 産〕 Jミルクが23年度の生乳生産量を0・4ポイント下方修正、都府県は離農続き厳しい

 〔米麦・食品〕 宇都宮大学らが堆肥の長期連用で水田土壌に高い窒素固定活性を確認

 〔畑作・果樹〕 農水省が肥料原料備蓄に係る供給確保計画を認定し、肥料備蓄体制を構築

 〔林 野〕 森林総合研究所が「木の酒」醸造研究を一層発展させるため、木の酒研究棟を竣工

 〔水 産〕 ウナギの国際的資源保護・管理非公式協議がシラスウナギ池入数量上限を据え置き