〔週刊農林23年1月25日号〕2023年度農林水産予算



2023年1月25日号
 


 

数量:

 
 焦 点 高病原性鳥インフル過去最悪に
 
 政府は1月13日、高病原性鳥インフルエンザ関係閣僚会議を開き、防疫状況と今後の対策を確認した。1月12日時点で23道県58事例、約1091万羽が殺処分対象となっており、これまで過去最大の発生であった20年度シーズンにおける発生事例と殺処分対象羽数を上回った。昨年12月22日の総理指示による家きん農場の「緊急消毒」の状況は、発生した23道県のうち13道県が昨年内に緊急消毒を開始した。残りの県も、1月中の開始に向けて調整している。また、野村農相は13日の閣議後会見で、日本養鶏協会に対して、採卵鶏の飼養期間の延長等による安定的な鶏卵生産の確保と家庭消費向けの優先供給を要請したことを明らかにした。
 
 農林抄(論説)
 
   日本の漁業・水産業の再興提言〈3〉
       日本経済調査協議会第3次水産業改革委員会委員長・主査 小松正之
 
 
 提言5:(非持続的漁業補助金の段階的廃止と予算のイノベーション等への振り向け、そして自立した漁業・水産業の確立を) 世界貿易機関(WTO)は1)直接補償の補助金、2)経営経費補填補助金などで、IUU漁業と過剰漁獲への補助金は廃止されるべきと原則的に合意された。日本でも水産予算の経営損失の補填目的の漁業共済補償金などの漁業補助金は段階的に廃止すべきである。・・・続きは本誌で
 
 解説 2023年度 農林水産予算
 
   農林水産予算3年連続して減額
 
      食料安全保障強化予算を15%増
      水田の畑地化を積極推進
      収入保険制度66%増の306億円
      林野予算が過去10年で最多に
 
   農林水産関係予算のPOINT
 
 解説 水田活用の直接支払交付金と飼料用米・米粉用米対策
 
   水活交付金5年水張りルールを具体化
 
      飼料用米単収は「ふるい上」に
      5年間は水稲作付けが行えない
      飼料用米一般品種は単価引下げ
      パン・麺用米粉用米の支援充実
 
 農林水産関係予算の主な事業〈1〉
 
 
〔食料安全保障強化に向けた構造転換〕
畑作物の本作化対策〈一部公共〉/米粉の利用拡大支援対策/食品事業者における原材料の調達安定化対策/加工・業務用野菜の生産拡大対策/肥料の国産化・安定供給確保対策/飼料の生産・利用拡大、安定供給確保対策/生産資材の使用低減対策/省エネ技術の導入加速化対策/燃油・資材の森林由来資源への転換等対策/養殖業における飼料原材料の転換等対策

〔生産基盤強化と経営所得安定対策〕
野菜支援対策/果樹支援対策/花き支援対策/茶・薬用作物等支援対策/GAP拡大推進加速化/水田活用の直接支払交付金/コメ新市場開拓等促進事業/水田農業の高収益化の推進〈一部公共〉/小麦・大豆の国産化の推進/米穀周年供給・需要拡大支援事業/強い農業づくり総合支援交付金/甘味資源作物生産支援対策/農業支援サービス事業育成対策/農作業安全の推進/協同農業普及事業交付金/畜産生産力・生産体制強化対策事業のうち家畜改良の推進/畜産経営体生産性向上対策/環境負荷軽減に向けた持続的生産支援対策/国産飼料の生産・利用拡大対策/飼料穀物備蓄・流通合理化事業/草地関連基盤整備〈公共〉/家畜・食肉の流通体制の強化/養蜂等振興強化推進/収入保険制度の実施/経営所得安定対策/野菜価格安定対策事業/国民の理解醸成と国産農林水産物の需要拡大の推進/食育の推進と食文化の保護・継承

〔輸出力強化、食品産業の強化〕
マーケマーケットイン輸出ビジネス拡大支援事業/輸出ターゲット国における輸出支援体制の確立強化事業/食産業の戦略的海外展開支援事業/グローバル産地づくり推進事業
 
     つづく