2021年12月5日号
 


 

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 焦 点 農薬抵抗性を獲得する仕組み
 
 産総研らの研究グループは11月10日、カメムシが農薬の抵抗性を獲得する仕組みを解明した。単一の農薬を連続使用すると農薬抵抗性を持つ害虫が出現するが、近年、昆虫体内の共生細菌が農薬の解毒に重要な役割をもつことがわかった。そこで、カメムシの腸内で共生細菌がどのように農薬を解毒しているかを研究、解毒に不可欠な共生細菌の遺伝子を特定した。この遺伝子により、共生細菌は害虫の体内に入った農薬を分解するが、農薬の分解産物は共生細菌に対して毒性を持っていた。この物質は宿主である害虫には無毒であり、害虫は速やかにこれを体外に排出するという、害虫と共生細菌が相互作用していることを発見した。
 
 農林抄(論説)
 
   長びくコロナ禍での地域観光活性化〈2〉
       大阪観光大学名誉教授/元桜美林大学教授 鈴木 勝
 
 
 観光バージョンアップ 岸田首相はコロナ禍の観光振興に「GO TO2・0」、いわゆる「観光バージョンアップ」政策を打ち出したが、「GOTOトラベル」に一言。「観光は裾野の広い産業」で、その証明に観光庁の「旅行消費の経済波及効果」がある(2021年9月発表)。「2019年の国内の旅行消費額は29・2兆円、生産波及効果は55・8兆円(対国民経済産出額5・3%)、雇用誘発効果456万人(対全国就業者数6・6%)」だ。国内有数の産業規模である。昨年、GO TOトラベルが実施されたが狭い範囲の観光業℃x援と解され、国民に対して十分目的が伝わっていない。・・・続きは本誌で
 
 2021年度農林水産祭
 
   天皇杯受賞者を表彰
 
     〔農産・蚕糸〕農事組合法人仙台イーストカントリー
     〔園芸〕きたみらい玉葱振興会
     〔畜産〕森岡良輔・恵理香夫妻
     〔林産〕山長林業(株)・(株)山長商店
     〔水産〕枕崎市漁業協同組合
     〔多角化経営〕(有)シュシュ
     〔むらづくり〕白糸第一自治振興会
     〔受賞者一覧〕内閣総理大臣賞・日本農林漁業振興会会長賞
 
 コロナ克服・新時代開拓のための経済対策
 
   地域経済を立て直し持続的成長
 
      有効な経済対策となるか
      米価下落を受けた対応策
 
 国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)
 
   気温上昇抑制基準は1・5℃に
 
     石炭火力発電めぐり紛糾
     今世紀末に2・7℃上昇
     COP26に課せられた大役
     パリルールブックが完成
 
 農業遺産に関する国民の意識を知る〈1〉
 
   中年層における認知度が低い
 
      農業遺産認知度は37%
      2割が遺産地域に行きたくない

     
つづく
 
 肥料原料の国際市況高騰を乗り切る〈1〉
 
   肥料コスト低減事例等を作成
 
      購入先の見直し、肥料変更
      土づくり、土壌診断

     
つづく
 
 農林水産関係予算の主な事業<9>
 
 
〔森林・林業・木材産業によるグリーン成長〕
「新しい林業」に向けた林業経営育成対策/林業・木材産業成長産業化促進対策/林業イノベーション推進総合対策/建築用木材供給・利用強化対策/木材需要の創出・輸出力強化対策/カーボンニュートラル実現に向けた国民運動展開対策/「緑の人づくり」総合支援対策/森林・山村多面的機能発揮対策/花粉発生源対策推進事業

〔水産資源管理と成長産業化〕
スマート水産業推進事業/新たな資源管理システム構築促進事業/漁業経営安定対策/経営体育成総合支援事業/沿岸漁業の競争力強化/漁業構造改革総合対策事業/養殖業の成長産業化/漁協経営基盤強化対策支援事業/水産バリューチェーン事業/水産多面的機能の発揮等/漁場環境改善推進事業
 
     おわり
 
 農林水産トップニュース
 
 〔経営・構造〕 政府が農業グリーン化実現へ関連法案を次期通常国会に提出

 〔畜 産〕 中央酪農会議が年末年始など不需要期対策を決定

 〔米麦・食品〕 22年産米適正生産は21万d減産が必要、面積換算は4万f

 〔畑作・果樹〕 農研機構が果樹登録品種の自家用増殖許諾手続きを有償化

 〔林 野〕 国交省と日本建築士会連合会が建築物木材利用促進協定を締結

 〔水 産〕 鯨類資源管理にTAC、日本海区クロマグロ大型魚はIQ導入

週刊農林 21年12月5日号