2021年2月25日号
 


 

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 焦 点 ササ原になると森に戻らない
 
 ササは、刈り払を怠るとあっという間に繁茂する。「日本では、『後は野となれ山(=森)となれ』と言う諺があるように、広葉樹の天然林を伐採してもやがて天然林に戻ると考えられている」(森林研究・整備機構森林総合研究所)。同研究所が苗場山麓で行った41年間にわたる長期モニタリング調査で、ササの密生するブナ林を皆伐するとササがさらに繁茂し、伐採から30年を経た時点でも次世代のブナが育たないことが明らかになった。皆伐前に刈払いや、除草剤散布でササを減らした場合でも伐採後ササはすぐに回復し、ブナの稚樹はササ藪から抜け出せず、消失した。放置するだけでは、ブナ林に再生していく兆しはみられない。
 
 農林抄(論説)
 
   わが国の輸出拡大への提言〈3〉
     ―「輸出拡大実行戦略」予算の拡充を−
       東洋大学名誉教授・国際農政研究所代表 服部信司
 
 政府は、昨年4月、2025年の農林水産物・輸出目標額を2兆円台、2030年の同目標額を5兆円台とする「輸出拡大実行戦略」を打ち出した。2025年の輸出目標額2兆円は、現行(2018〜2019年平均)輸出額9095億円の2・2倍、2030年5兆円は、現行(同)9095億円の5・5倍に当たる。この「輸出拡大戦略」は、日本の農林水産物輸出額が2012年4497億円から2018年9068億円へと6年間で倍増したことを根拠にしているとみられる。・・・続きは本誌で
 
 新年特集 農村文化伝承と農村振興をつなぐ<5>    (季刊特集著者リスト
 
   農村文化の伝承と農村づくり<2>
      ―文化を意識した暮らしとその装置―
       農村づくり・ICT支援研究会会長 山本徳司
 
      田園回帰の潮流
      文化を意識した暮らしとは
      文化連鎖の意識化装置

     
おわり
 
 政府が文化財保護法改正案を閣議決定
 
   生活文化に登録制度を新設
 
     食文化も無形文化財の対象に
     文化財保護活動も苦境
     文化財の裾野を広げる
     地方公共団体が文化財登録
     新たな文化資源を探す
 
 スマート農業の社会実装を加速する<3>
 
   農業支援サービス事業体を育成
 
     農業経営とwinーwin関係
     ソリューションビジネスを期待
     農業支援サービスが抱える課題
     農業者が安心して委託
     地域づくり団体がサービス担う

     
つづく
 
 カーボンニュートラル宣言で森林に注目
 
   ムチャクチャすごい森林貯炭能力
 
      算定基礎根拠を見直し
      国は炭素蓄積量を過小評価
 
 農林水産業・農村における女性参画を引き上げる
 
   すべての女性が輝く令和の社会
 
      成果目標の対象を追加
      女性が能力を発揮できる環境整備
 
 2020年農林業センサスを紐解く<2>
 
   畑作面積は微減にとどまる
 
      果樹集積すすむも面積大幅減
      果樹農業の早急な立て直しを

     
つづく
 
 2021年度 農林水産関係予算の主な事業<4>
 
 
〔担い手確保・経営継承の推進〕
農林水産業・食品産業における作業安全対策の強化

〔食の安全と消費者の信頼確保〕
家畜衛生等総合対策/消費・安全対策交付金/安全な生産資材の安定供給の推進/薬剤耐性対策/有害化学物質・微生物リスク管理等総合対策事業

〔農山漁村の活性化〕
中山間地域等直接支払交付金/環境保全型農業直接支払交付金 
 
     つづく
 
 農林水産トップニュース
 
 〔経営・構造〕 農水省が自然災害に備えるチェックリストと農業版BCP作成

 〔畜 産〕 農水省が牛マルキン現行算定方式を維持する考え示す

 〔米麦・食品〕 「子ども宅食」が備蓄米交付対象に追加

 〔畑作・果樹〕 農水省が23品目の輸出産地をリスト化

 〔林 野〕 林野庁が10年間に年平均45万fを間伐する基本指針案

 〔水 産〕 20年漁期のシラスウナギが採捕報告と池入れ数量合わず

週刊農林 21年2月25日号