2004年1月25日号
   
 

 

 

  

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農林抄 (論説/2004年度農林水産予算への論評)
 
   「米政策改革予算−5つの特徴」
       日本農業研究所理事・東京大学名誉教授 佐伯尚美
 
 年の押し迫った旧臘24日、16年度政府予算が決定し、それにともない米政策改革予算総額3396億円も確定した。その特徴は、次の5点にある。・・・(1)形式拡大・実質縮小の米政策予算(2)重点化する生産調整(3)縮小する過剰米対策(4)経営安定対策の分化(5)構造政策の強化・・・



焦 点 「79年ぶりに鳥インフルエンザ発生」
 
 
 農林水産省と山口県は1月12日、同県阿東町の採卵鶏農場のニワトリから高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が検出されたと発表した。79年ぶりの感染確認。昨年12月28日に8羽が死亡したの皮切りに、日を追うごとに急増。1月9日には839羽、10日が1238羽、11日は2345羽、12日2312羽、13日4237羽、14日2091羽と、最終的には1万4622羽が死亡した。「農場内では人にウイルスが付着して広がった」(家きん小委員会)と見られるが、感染経路は韓国で同型の鳥インフルエンザが流行していることから野鳥説が有力視されている。今後、遺伝子解析を進め、海外との因果関係を究明する。


特 集 「2004年度 農林水産予算」
 
   概説「1.9%減額 かろうじて3兆円台」
          週刊農林編集部
 
       米政策改革予算3396億円確保
       産地づくり対策1651億円満額
       農林水産輸出促進対策8億円確保
       イネゲノム成果の産業実用化研究10億円
       森林吸収源対策4388億円、緑の雇用対策71億円
       周辺水域資源調査対策21億円
 
 
特 集 「2004年度 農林水産主要新規施策の解説」  農業・環境政策
 
       米政策改革の着実な実施と農業構造改革
 
産地づくり対策等の米政策改革関連施策の具体化/担い手への支援の重点化・総合化/経営構造対策等の推進/農地の利用集積の促進/新規就農対策の充実/女性のチャレンジ支援と少子・高齢化対策/農林水産物の輸出の促進に向けた総合的支援体制の確立/利水施設の効率的な管理のための条件整備/畑地転換、土づくりなどの取組みを支援するためのきめ細かな条件整備/畜産環境対策の促進/和牛のみなもと再生・強化対策の推進/農林水産業を支える技術開発−食と農の未来を切り拓く技術開発−/期が・貧困の解消および農林水産業の持続可能な開発等に向けた国際協力/ニーズに即した統計の充実
       食の安全・安心の確保
 
農産物の安全性確保の強化/畜産防疫体制の強化/食品表示・JAS企画の適正化の推進/信頼性の高いトレーサビリティシステムの開発・実用化の推進/消費者等とのリスクコミュニケーションの推進/「食育」活動の推進/卸売市場の整備の抜本見直し、無線ICタグ等新技術活用による食品流通の効率化
       都市と農山漁村の共生・対流の促進
 
風格ある美しい農山漁村作り・観光立村の推進/バイオマスの収集・変換・利用システムの構築、利活用の高度化等の促進
       森林・林業政策の展開〜多様で健全な森林の整備・保全〜
 
多様で健全な森林の整備・保全を通じた地球温暖化防止/今後の森林整備を支える林業の担い手の確保・育成/大規模需要者のニーズに対応した地域材の新しい流通・加工システムの構築等/里山林の再生・整備、国民参加の森林づくりによる美しく住みよい山村作りの推進
       水産政策の展開
 
科学的知見に基づく資源管理の徹底/沿岸域における豊かな環境の創造/つくり育てる漁業の推進/漁船入手や資金調達の円滑化等/水産技術の革新/消費者の求める水産物の生産・供給/豊かで立つ力ある「浜」づくり