特 集 「米消費拡大マーケティング戦略への提言」<1> (季刊特集)
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「おにぎりこそベンチャービジネスだ!」<1> |
(株)おむすび権米衛代表取締役 岩井健次 |
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おにぎりの売上5割超増
コンビニの2倍サイズを100円で
世界で「一番危うい国」日本
マクドナルドを超える日「減反はなくなる」
つづく |
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「米の消費拡大はできない?」<1> |
マーケティング・コンサルタント
グリーン・プロデューサー 鈴木俊博 |
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売ろうとしなければ売れない
無洗米に全力投入を
稲穂クラフト
機能米
つづく |
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「立国の基本は『食糧の自給自足』」<1> |
〜イスラエル建国の条件に学ぶ〜 |
筑波大学大学院博士課程長 鈴木正成 |
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砂漠の荒原で100%自給
「自国に生きる」哲学
つづく |
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「コメの粉食文化を創ろう」<1> |
協同組合「米ワールド21普及協議会」事務局長 高橋仙一郎 |
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農産物の拡大再生産に限界感
MSA協定が日本食文化を破壊
粒食概念から脱却した「米消費拡大」を
付表・食料自給率の推移、供給熱量総合食料自給率の推移
まとめ
つづく |
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「コメを『消費者の食品』として売っていこう」<1> |
マーケティング・プロデューサー 平岡 豊 |
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コメを「ブランド商品」としてとらえよう
適切な「消費拡大キャンペーン」をやろう
コメそれぞれに適切なターゲット
コメ消費に「数値目標」を
「統合マーケティング本部」と「十分な活動原資」が不可欠
つづく |
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「ユーザー視点の米消費拡大策」 |
フードディスカバリー(株)代表取締役 福井栄治 |
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家庭における米消費の拡大
中食、外食における消費拡大
付表1・米一人当たり年間消費量の推移
付表2・米の生食用需要量と外食使用量
読み切り |
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「コメ消費拡大戦略への提言」<1> |
藤澤流通・マーケティング研究所代表 藤澤研二 |
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平成5年の大凶作を契機に消費量激減
コメ消費拡大に寄与する外食産業
ファーストフード感覚商品開発を
付表1・1世帯当たりの年間米購入量と平均購入価格
付表2・自主流通米取引価格と1人当たり消費量の推移
つづく |
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編集室
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2003年の新年号特集の企画テーマは、『米消費拡大マーケティング戦略』としました。長引くデフレ不況や少子高齢化、女性の社会進出など、経済社会の構造変化を反映した食品消費構造の変化により、米の消費量減退は止まるところを知りません。米の一人当たり消費量は、高度経済成長まっただ中の1962年の118キロをピークに2001年には64キロとほぼ半減。一世帯当たり年間購入量も、昨年100キロを割り込みました。この結果、米の総需要量は大不作となった93年を境に減少に加速が付き、毎年平均して20万トン強の減少が続き、99年には防衛ラインというべき1000万トンの大台を割り込みました。数年後に人口減少期に入ることから、900万トンさえ割り込む趨勢にあります。
この事態を放置すると減反面積は約150万ヘクタール、水田の半分を減反しなければならなくなります。まさに米作・水田農業は縮小再編の危機的な局面を迎えていると言わなければなりません。唯一の自給農産物で、自給率寄与率の5割強を占める米の消費量=生産量が減ることは、日本の食料自給基盤を掘り崩すだけでなく、水田の荒廃が国土の荒廃に繋がり、食料安全保障ばかりか、国土の安全保障そのものを揺るがすといっても過言ではありません。さらにお米が食における「主婦の座」から転落することは、国民の食生活、健康の危機だけでなく、基盤としての稲作文化に由来する日本文化、とりわけ食文化の崩壊を意味します。
こうした危機的状況を打開していくためには、米改革・水田農業振興戦略、食生活改善・健康増進戦略、国産農産物消費拡大戦略、安全保障戦略の一環として、経済・社会構造や食料市場、食料消費構造の変化等に対応した米消費拡大対策を戦略的に、とりわけマーケティング戦略として構築し、展開していくことが喫緊の課題です。マーケティング戦略としては、2010年までに消費減退傾向に歯止めを掛け、一人一年当たり66キロ台、総需要量1000万トンを回復、長期的には理想的な日本型食生活といわれた85年の75キロ水準、総需要量1100万トン台の回復をめざすべきでしょう。この目標を実現するためには、まず、いま最も需要が伸び、成長している中・外食、加工米飯分野・市場に着目し、さらに伸ばすことが必要です。おにぎりカフェなど、「和製ファーストフード」としておにぎりブームが起きています。伸びている分野のキーワードは、簡便性、健康・美容性、栄養性・機能性です。次に可能性が大きいのは、競合する輸入麦粉製品に取って代わりうる、「未踏」ともいえる巨大な米粉製品開発分野・市場です。ターゲット論的には、米離れ著しい若い世代、とりわけ若い女性と子供です。食習慣を形成する児童・生徒を対象とする学校給食制度改革は必須です。戦後アメリカの小麦戦略により形成された学校給食における主食の座をパンから奪回するため、国産農産物の使用にインセンティブを与える助成の強化拡充と食農育を推進する必要があります。もちろん、健康増進・食生活改善戦略として、米を中心とする日本型食生活、食生活ガイドラインの普及をさらに効果的に推し進めなければなりません。
こうした観点にたって、マーケティング戦略や栄養学の専門家、最前線の食品起業者を中心に、具体的な新機軸となる米消費拡大戦略をご提案頂きました。これらのエキサイティングな提案が、今後の米消費拡大推進の梃子として活用されることを期待するところであります。
週刊農林編集部 |
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