ミレニアム−21世紀への幕開けとなる記念すべき2000年の新年特集号は、まさに21世紀の日本農業の命運を決するとも言えるポスト・ウルグアイ・ラウンド=WTO農業交渉に臨むべき『日本のWTO農業交渉戦略』としました。UR交渉の教訓を踏まえ、どういう戦略目標を設定し、それを達成するためにどういう戦略・戦術を構築し展開するかということです。 その際、広い国際的視野、多角的な観点、異なる観点から、冷静に国際情勢を分析し、これにどう対抗・対応していくべきかという観点から、農業・農政に造詣が深いばかりでなく、異なるスタンス・分野の専門家の方々の経験・情報と叡知を結集し、政府・与党・農業団体が合意した日本政府の農業交渉戦略である「日本提案」が独善に陥っていないか、多角的な角度から点検、評価を加えていただくとともに、決裂はしたが、そのことがかえって、各国の狙い、利害・立場の違い、対立の構図、課題を灸りだしたWTOシアトル閣僚会議(概要は12月25日号参照)について検証していただき、それをも踏まえて、日本の農業交渉戦略を提案して頂いた。
ご提案をしていただくに当たっては、政府交渉者のお立場から、巻頭言で農業交渉に臨むスタンス、今後の交渉方針について、国民、農業者に向けた説明をお願いした。また農業経済・政策研究の第一線からの深い専門的知識を駆使した分析・提言を頂きますとともに、ガット事務局に29年間勤務されURはじめ交渉の表裏をみてこられた経験や知見、欧米に滞在し農産物貿易に従事された経験・知見から国際農業貿易ルールの在り方を、アメリカ農業研究の第一人者としての取材と鋭い分析、アメリカで長らく農業を見聞され穀物取引に従事された経験・知見から、交渉では“仇敵”となるアメリカ人のメンタリティを含むアメリカの交渉戦略の狙い、国内の米流通・市場を研究、精通されている知見から、交渉の最大の焦点となる米の国境措置、すなわち米の関税とミニマム・アクセスの取り扱いについて提言して頂いた。
同時に、交渉戦略と裏腹の関係にある関税化=国際化に対抗・対応した21世紀の日本の食料・農業・農村戦略を早急に構築すべきとの観点から、とくに米・水田農業を軸とする農業構造改革に向けたご提言もお願いした。
ここにご提起頂いた分析・評価・提言が日本の交渉戦略を点検し、さらに練り上げていくうえで一助となれば幸いである。
週刊農林編集部
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